そう言えば、お腹の中で再会したなぁとか観て思い出す部分もあったけれど、嘘をついて鼻が伸びるぐらいしか思い出せない程度で観たから、「ほんとうの」がどの部分なのかはさっぱり分からなかった。もはや初めて知る感覚に近かったかも。
悪童ぶりもあいまって、まあピノッキオの可愛くないこと(笑) 息子が出来た！と喜ぶジュゼッペの目には、この上なく美しい人形として映っていても、それは身内びいきのようなもので。可愛い可愛いで盲目になることなく、ちゃんと本人を見ようねと思った。
生まれたてで何も知らないピノッキオが成長する過程で出会うキツネとネコ。このふたりの甘言に騙されるピノッキオが、投資詐欺や何かに騙される人の姿に重なってみえた。簡単に儲けられるとか絶対に儲かるとか増えるとかないのに、ひょいと飛び付いちゃって、失って。「もう騙されないよ」寓話の中に、実は社会批判や教訓が込められていたんだなぁと思った。
ほんとうは怖いグリム童話のようなホラー要素は全くなかったけれど、絶妙な気持ち悪さのある世界観で描かれた映画だった。ピノキオだけれど大人向けだったかなと思う。
#135_2021
