「どうしても口に出せない大きすぎる想い」vs「主張しない人間が消費され続ける社会」な構図の映画だった。
言いたいことを割とすぐに言えてしまう自分は、日本人でもなければ、人間ですらないのかもしれない。
それでも、
「言えよ!!!」
と思ってしまうのは、やはり人間ではないからでしょうか。
口にできる想いが軽いのか、口にできない愛が重いのか。
どちらかが罪なのか。どちらも罪なのか。
彼女の顛末に何を思えばいいのか、頭が全然追いついていないけど、想いの掛け違いが連なることで正しさがかなぐり捨てられていく様子に、終始怒り、恐怖していた。
遅すぎたんだよ、手と足を使うのが。
本当は言葉が一番簡単な手段のはずなのに。
言わねば消費されるだけ。人に。社会に。
それでも言えないこともある。
だから人間。
『生きちゃった』んだな。