【人間と動物の狭間へ】
デンマーク映画、ということで、久しぶりの北欧ものです。
第一印象は、いつも通りなのですが、やはり独特の陰鬱さと、金属を引っ掻いたようなキリキリとした音楽が脳に響きます。
途中まではヌルイ感じで、北欧の美しい自然だけが印象的なのですが、
途中からボカシ入りまくりで、突然内容がハードに!
観ているこちらとしては、「あーあ、やっちまったよ、、、」という感じですかね。
内容は47歳女性と17歳男性の肉体関係を扱ったものであり、これは当然未成年に対する性行為の強要。つまりは犯罪です。
しかし、当の女性が児童虐待専門の弁護士であり、担当した少女からは聖人のように慕われているわけです。
医者の不摂生みたいなものなのでしょうか?不謹慎ですけど。
また、彼女の中のおんなとしての情欲が燃え上がるきっかけとなるシーンにも、理性では、解決出来ない業の深さを感じました。
そして、己が脅かされそうになった時の彼女の行動はまさに女王様です。
社会的にも、また家庭においても、「絶対的正義」である彼女。
己の地位を守るためには、如何なる汚い手段も厭わない姿は、さながら権力者そのものでした。
この、キリキリして寂しくて後味の悪いあたりが、何とも中毒性を感じるのは、私だけでしょうか?
それにしても、あのボカシのシーン。
向こうでは、そのままボカシ無しで流しているのでしょうか?
だとするなら、より精神に厳しいですね。
ともあれ、誰かと一緒に朝から鑑賞するような作品ではないですね。絶対に気まずくなると思います。
そういう気まずさを楽しみたい方にはおすすめです。笑