けーすけ

トゥモロー・ウォーのけーすけのレビュー・感想・評価

トゥモロー・ウォー(2021年製作の映画)
4.0
2022年12月、W杯のサッカー場に突如兵士たちが現れた。2051年の未来から来たという彼らは「未来の地球はエイリアンに侵略され人類は絶滅の危機にある」と告げる。未来の人類を救うため、現在の世界から未来へ応援を送り対処する事にしたのであった。元軍人で生物学教師のダン・フォレスター(クリス・プラット)も徴兵され30年後の世界へと向かったのであったが・・・






『ターミネーター』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズのように未来から過去へ、現在から未来へといったタイムスリップもの。んもう大好き!
本来であれば2020年に劇場公開だったらしいけど、コロナの影響で公開権はAmazonビデオに売却されたとの事で…。これは映画館で観たかった!涙

以下感想。核心ネタバレはないですがツッコミも多いので気にされる方はご注意ください。







2022年12月のW杯、地球温暖化の影響で冬季開催となったとの事で(これも何気に伏線)、現実世界でもカタールでの開催が予定されており地味にリンクしているところ。

そんなW杯最中に現れた30年後の人類。ホワイトスパイクと呼ばれるエイリアンの襲来で人口はなんと50万人ほどとなっており、このままでは人類絶滅に…。という事で2022年の人類が未来へ行って応戦してもらう作戦に。

「いやいや、エイリアンがやってきた時に戻って先にやっつければいいやん」と思うも、奴らはいつ、どこから来たのかが不明で、2048年に最初の襲撃がありあっという間に人類はやられてしまったらしい。


そして未来の人類を救うべく徴兵され30年後へ転送される人々。しかし1週間のミッションでも帰還は毎回2割にもならないくらいの悲惨な状況。

なぜなら徴兵される人の中には戦争や軍人経験など一切ないようなド素人も含まれており、ろくな訓練も作戦会議等もなく「はい、行ってらっしゃ~い」で未来へGO!そりゃ死ぬわ。笑

ダン達が未来へ転送された時も座標ミスがあり何ともお粗末な展開なのが…。その演出必要だったのだろうかと思ったところ。

しかもエイリアンの特徴等も「事前に言ったら希望者激減するから内緒っす」とシークレット扱い。そりゃ死ぬわ(2度目)。

そんな感じで、演出の都合上(笑)エイリアンの姿はなかなか見せてこない煽り方は個人的に好みでした。

中にはある理由で3回目の未来へ行くという志願兵もいるのですが、エイリアンの弱点を先にみんなに伝えないというサディスティックぶり。そりゃ死ぬわ(3度目)。


30年後のマイアミ・ビーチは「ウィル・スミスも泣くぜ」と悲しいジョークが出るほどの惨状。果たしてダンはミッションを遂行し、人類の未来を救えるのか…。

てな感じが中盤までのおおまかな流れです。




「現代から未来へ行ったら未来の自分と出会うパラドックスがあるのでは?」といった部分も徴兵の人選で一応うまい事回避しており、それもこの物語のキーポイントともなるところですね。色々と考えたらおかしなところはたくさんあるんでしょうけど、細かい事は気にしないの精神が本作には合っております。

物語全体の流れも前半・中盤・後半でうまく構成されており、1本で3作品分くらいのボリュームがあった印象です。序盤に仕込まれた伏線回収も「そういう事か!」と楽しめました。
また単純にエイリアン掃討の話ではなく、ダンたちの親子3世代にわたる家族の繋がりを組み込んで物語に活かしていたのが好印象でした。


エイリアンの造形も「あ、コリャ勝てねーわ」って思わせられる見た目と俊敏さ、そしてめちゃ高い攻撃力。繁殖力もネズミばりにあるようで一体どうやってこいつらに打ち勝つ事ができるのか。先が読めそうで読めない絶妙な展開、めちゃよかったです。
また、某静かにしないといけない映画とは違って、知性が無さそうでありそうな描写と、圧倒的な数によって襲い掛かるシーンの絶望感は最高でした(ただ基本的に動物を食い散らかしているだけなので、惑星のお掃除屋さんかな、と思った)。




主演・ダン役のクリス・プラット、絶妙なコメディ感も出せるし、体つきもいいからバトルにも映えるしで本作にはうってつけでしたね。大好き。
J・K・シモンズも出番は少なめながらも、ダンの父親としての重要な立ち位置を好演。好きだ~。



「いやいや、そりゃねーでしょ」とか「そんなベタな…!」と都度ツッコミながらも終盤のカタルシスにまんまとやられた感じ、個人的にはめっちゃ楽しめる一作となっていました。アマプラで観られる人はぜひ♪




一点残念だったのが、とある基地の描写で各国の国旗が、アメリカ・中国・オーストラリア・ドイツ・韓国・ロシア・イギリスだった事。もしかすると物語内で語られるある出来事による為かもだけど、日本の力って弱くなりつつあるのかな…と悲しくなったところ(それかエイリアンに完全に殲滅されてしまっていたのか)。日本の映画界ももっと頑張ってほしい。


2021/07/04(日) Amazonプライムビデオにて鑑賞。
[2021-057]
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