空海花

白い暴動の空海花のレビュー・感想・評価

白い暴動(2019年製作の映画)
3.5
現在公開中になりました。
公開直後の映画館休館により観られなかった作品をレンタル配信にて自宅鑑賞しておりました。

休み中観たもの放っておいたらわからなくなっちゃいますね💦でもできるのかな?(笑)

これから観る方は、後半は観てから読んだ方がいいかもしれません。
お断りを入れておきます🙇

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Rock Against Racism 略して RAR
のドキュメンタリー映画。

パンクの思い出は中学生くらいに遡る。
子供だったし、時代的には後追いだったし詳しくはないけれども。
好きだったのはピストルズやラモーンズ。
ずっと聴き続けたのはジャムだったけれど
パンクというよりモッズ寄りですかね。
クラッシュも聴いたし、シャム69も聴いたな。

だからか作品に出てくるチラシやポスターのロゴやグラフィックは懐かしさがあった。
私の時代でもこんなデザインのジャケットやチラシがあった。
これはRARから来ていたらしく、視覚効果を重視していたようだ。黒と白の融合。
スローガンのように固定的な言葉よりも
コラージュされたクールで熱いビジュアルや、自由な生きた言葉=歌詞。
映像がお洒落で視覚的にもかなり楽しい。

レゲエは学生時代好きな人が多くて、
周りでは結構流れていた記憶があるがほとんど覚えていない。

それでも
「音楽は国境なんかないんだ」
「音楽は社会を変える力があるんだ」
と若かりし私は衝撃を受けた。


舞台は1970年代のイギリス
経済や政治に暗雲が立ちこめた時代。
黒人音楽に影響を受けた音楽が生まれた国にも関わらず
黒人や移民を排除しようとする動き。
音楽さえ人種で分けられていた。
イギリス国民戦線NF(National Front)
白人至上主義の極右組織が台頭した。

それに対し、反人種差別を唱える
RARが結成。
音楽を武器に人種差別撤廃を訴える。
Love Music,Hate Racism

一方でNFのファシズム、ナチズムに反する
極左組織、ANL反ナチ同盟があり
RARは彼らと手を結び、
反人種差別ロックフェスを計画する。
白人のパンクと黒人のレゲエが同じステージで演奏する。
そして目玉はクラッシュのステージ。
White Riot♬
かっこいい。必見。


ステージシーンは思ったより少なく
ライブを楽しみにしているとやや寂しいかもしれない。
ほぼRARの立場からではあるが、
インタビューなどの言葉は力のあるもので聞いて損はないと思う。

政治や経済の混沌を
誰かの、何かのせいにする風潮は
今の時代でも感じることがある。

結成のきっかけにもなるエリック・クラプトンの言葉は言い方がかなり悪くて衝撃。

でも、そういえば、
ボウイやロッド・スチュアートもこういうことを言っていたのを知って
しばらく聴く気をなくしたことがあった。
これを観るまですっかり忘れていた。
そんな私もどうかと思う。


映画はここまでだが、
結果的にRARは衰退していく。
ドキュメンタリーとしてはもう少し背景を描いても良かったのではないかと思う。

今の時代にも響く言葉だとか
さらっとそういうのはもう言いたくない。
でも音楽や芸術を通して、人種や国境を越える思想は、今も通じているものと信じたい。


2020自宅鑑賞No.10/total79 


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パンクは日本だとやっぱりブルーハーツですね。LIVEも行きました。
他に好きだったのはストリートビーツ、アンジー。
スタークラブ、スターリン、ラフィンノーズも聴いたりしました。

この辺りの昔の本を読み直したりしたら全然忘れていたりして
大人になった自分を少し嘆きました。
空海花

空海花