oln

僕が跳びはねる理由のolnのレビュー・感想・評価

僕が跳びはねる理由(2020年製作の映画)
4.0
自閉症の僕
"普通じゃない"と言われた
僕には"普通"が難しい

見かけだけで判断しないでほしい
見えるものは同じだけど
君と僕の見え方は違う

何かが地面を濡らす
これに触れると濡れる
空から降るこれは何だろう?
記憶のページをめくる

遠い過去も30分前の記憶も
全てが今に押し寄せる
時間に区切りはなく
記憶は点でバラバラで繋がらない

どんな場所も居心地が悪い
次の僕がわからなくて不安なんだ
だから、僕は跳んだ

それが僕の"普通"だから





感想です。

東田直樹さんという自閉症の方が、自閉症の世界の見え方を書き記した原作に基づいたドキュメンタリー作品です。

世界にいる自閉症の人たち。苦しいのは自閉症そのものではなく、理解されないこと。声に出した言葉と、本当に言いたいことは同じではないことがある。
文字盤を使ったコミュニケーションが印象的でした。

いつも不安で、会話することは難しいけれど、いつも使っている言葉で話すのは簡単、繰り返しは安心する。だから、同じ言葉を繰り返して、気持ちを落ち着かせているうちに、時間が過ぎていってしまいます。

世界を言葉で表すことは難しいようですが、それはきっと、言葉を作った人が見ていた世界とは違う世界を見ているからではないでしょうか。

こういった疾患を抱える人に、どうしても変わった人だという目を向けてしまいますが、彼らも同じ人。
奇怪に見える行動にも理由があることを知れて、私の世界の見え方も少し変わりました。
oln

oln