「獣人の作り方を教えてやる」
1940年前後のアメリカ。移動遊園地のような見世物一座で働くことになったスタンはペテンのような読心術で成功する?破滅に向かう?
とらえ所の難しい、感情移入先も難しい映画だけど、見終わって振り返ればコメディだったのかなって。
人の本質なんてパターンなんだから操るのは簡単、と見せてナメてると因果が報いるぜ?みたいな。
ウィレム・デフォーが獣人(ギーク)について語るシーンでなんとなく話の終着地・円環の閉じる先を想像出来る。
キャストが豪華!主演ブラッドリー・クーパーは色んな表情を魅せる。一座に居たときは繊細そうで、得意げで優しそう。都会に進出したら傲慢そうで、ラストは情けなさが印象的。最初は昔のハリソン・フォードに似てると思った。
ルーニー・マーラは美しい。田舎の娘っぽかったのに、都会ではそれを少し残しつつ洗練を感じさせる。
ケイト・ブランシェットは魔女じゃないのに魔女っぽい。いつも通りな気がする。
ウィレム・デフォーは重要な伏線を張る。とても印象的に。
ストーリーがどう転がるかわからないまま進んだけれど、脚本としてはスタンが読心術の教えを請う場面を転換点としてのサクセスストーリーなのだと思う。曖昧たけど。
後半は音楽も相まって緊迫したサスペンス的シーンが続いていくけれど、スタンのグダり方やオチを見たあとではコントみたいだなと。見てる側が物語に乗る為に、もうちょっとスタンが成功していく様を応援させて欲しかった。
演技派揃って因果が巡る、っていう作品。