『キャプテン・マーベル』は観ているMCU作品の中でも好きな方だし、『ミズ・マーベル』でのカマラ・カーンはとても好感のもてるキャラクターだと受け止めていた自分にとって、この作品はやはり面白い。
『ワンダヴィジョン』も観ていたが、モニカに関しての認識は、主要の３人の中でもっとも薄い。ただし、演じていたテヨナ・パリスのことは強く印象に残っていた。
“マーベルズ” とうたいながらも、彼女のような存在がいないとうまくまわらないから必要な人物だったと思う。過去形なのが苦いが、彼女の成り行きはどのように回収されるのだろう。
「『キャプテン・マーベル』の続編」という位置付けの今作で、フィーチャーされたのはカマラたち『ミズ・マーベル』のことだった。また、キャロルはこれまでの描かれ方とは少し違っている。それは過ちに向き合ったり、熱狂的なファンや等身大の自分を知っている人物と行動を共にするからだ。こういう構成にしてキャロルの違う面を見せてくれたのはとても良かったと思う。
今作のアクションでキモになっているのは３人の入れ替わりによるユニークな戦闘だろう。しかしこれは「なるべきだった」と言うよりないかもしれない。どちらかというと、強すぎるキャプテン・マーベルの手枷としての側面を感じるので、どうしてもモヤることになる。しかしなんと言ってもあの訓練シーンとか、謎のダブルダッチ（おそらくカマラの要望）とか、めちゃくちゃ楽しかったからね。残念ながら、実戦での活かされ方がイマイチだった。
ダー・ベンのあっけなさや、そこからのカマラの特別感のあっさりした扱いなどは、ベタをやるということへの開き直りというか、良い意味で明るいトーンの作品だなと強く感じさせる。キャロルがハラの太陽を復活させるくだりも同様だが、キャプテン・マーベルの本当の力、みたいなのは今作で描かれなかったから必要だったと言えるかも。
副題は「カマラの大冒険」と言えなくもないし、彼女の視点から見ればあのラストといい、最高の物語になっていた。だからそれを楽しんだということになるかな。
