一

無頼の一のレビュー・感想・評価

無頼(2020年製作の映画)
3.5
『パッチギ!』『ヒーローショー』井筒和幸監督作品

やくざ者たちの視点から激動の昭和史を描いた群像劇
終戦から時代が変遷していく中で、己の信念を貫きながら生き抜いたアウトローの姿を映し出す

井筒監督の八年ぶりの待望の新作
しかもヤクザ映画ともなれば期待せずにはいられない

さすがに二時間半近くあるので長くないと言ったら嘘になるけど、バイオレンス描写だったり、ド派手なぶっこみ演出には興奮したし、昭和らしい美術、役者陣も皆さんそっち側の人間にしか見えないくらい嘘くさくないリアルな演技が素晴らしかった
主演のEXILEの松本利夫(MATSU)はもちろんですが、その中でも柳ゆり菜の女房感が光る光る…
超今更ではありますが、これは同じくグラドル上がりの小池栄子や佐藤江梨子クラスの逸材なのかもしれない…
ちょびっとでしたが奈良岡にこの体当たりの演技も👌🏻

ただし登場人物がかなり多く、入れ替わりが多い上に関係性が分かりにくいので話がごちゃごちゃしてる感じは否めず、刑務所→出所を何度も繰り返すシュールなギャグなのかとさえ思えてくるような展開で、極道映画としては起伏がなくあまりにも淡々とし過ぎている気もするけど、不思議と最後まで飽きずに観られたのは監督と演者の力量以外のなにものでもない

良くも悪くもヤクザ視点なので観ていてキツい部分は当然あるけど、この映画のヤクザは成金感がない庶民的な部分が多いので意外とあっさりしており、井筒監督の優しさがほんのり残っているのかなぁという印象

要所に挟まれる微笑ましい映画話もクスッとできて良かったし、流すのは最後だけで良かった気もするけど、泉谷しげるの「春夏秋冬」も響くなぁ…😇👏🏻

にしてもパンフレットが2200円はさすがに高すぎませんか🥺?笑
一