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アシスタントのtenのレビュー・感想・評価

アシスタント(2019年製作の映画)
3.0
長い長い長いしんどいばっかりの一日。
主人公自身のプライドとか差別意識とかに好感を抱けなかったから、共感はしないんだけど、それはそれとして気味の悪い会社。
圧力をかけた後にヒュッと付け足される「フォローの言葉」とかは、ある種合理的な飴と鞭なのかしらん。
とりわけ同じ部屋の人たちの謝罪文指導が、「この人たちは敵ではない」と誤作動させてしまいそう。
彼らも敵のつもりはないのだろうけれども。「上手くやれよ」と言いたいだけで。
きっとみんなは彼女のことを気遣っているつもりで、事実この人に限っていえばある部分においては「守られて」いるのだろうし、こういう環境を活用している人もゼロではないのだろうけれども、異常だし不快だし関わりたくない会社と構成員。

最後の電話シーンが大層後味が悪い。あちら側に悪意なんてひとつもないんだけど、むしろ善意しかないんだけど、「現状維持」の後押しをしちゃうんだよね。それでも、と立ち上がれるほどこの人は強くはないし、そういう人たちで構成されているから、この会社はこの体質で居続けられる。
溜息しか出ない。


ドーナツくわえてるシーンが好きでした。
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