T太郎

レリック ー遺物ーのT太郎のレビュー・感想・評価

レリック ー遺物ー(2020年製作の映画)
3.4
681
オーストレイリア・・・オーストラリア発のホラー映画である。

雰囲気はいいし、丁寧に作られていると思う。
登場人物を極限し、ストーリーも分かりやすい。
今までの経験から、雑でこけ脅しな作品なのかと思いきや、非常に抑制の効いた良ホラー作品だと言えよう。

終始、静かで暗い。
静かなのはいいとして、画面の暗さに辟易する向きもあるかもしれない。
実は、私もそうだった。
登場人物が何かを見て驚いたとしても、その何かがよく見えなかったりするのだ。
これは歯がゆい。

あれは一体何だったのだろう。
見直してみたが、よく分からなかった。
実に歯がゆい。

登場人物は3人だけと言っても過言ではない。
娘、母親、祖母だ。

一人暮らしの年老いた祖母が行方不明になり、母親と娘が祖母の家に向かう場面から物語は始まる。

ほどなく祖母は帰ってくるのだが、何か様子がおかしい。
認知症も疑われる状況だが、それだけではない何かがありそうだ。

祖母は何物かにとり憑かれているようなのだ。
母親と娘の運命やいかに!
祖母は大丈夫なのか!
果たして、私をチビらせるような恐怖演出はあるのか!
そんな物語だ。

結論から言うと私はチビらなかった。
全く恐ろしくなかったのだ。
私はある時期の日本ホラーが最恐だと思っているので、ちょっとやそっとではチビらないのである。

今作は、よくあるキリスト教世界の論理が全くないので(多分)、そこは好感が持てる。
貞子を彷彿とさせるシーンもある。
異形のクリーチャーに頼らない姿勢もいい。

非常に好感が持てるのだが、如何せん全く恐くないのだ。
これはもはや、私の資質の問題だと言えるであろう。
私には恐い物などないという事だ。

ホラー好きな方は、私の評価など参考にしない方がいいだろう。
私は鋼の精神を宿したマイトガイなのである。

初めて、オーストレイリア・・・オーストラリアのホラーを観たが、私を倒すには至らなかったようだ。
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