Ren

ナイト・ハウスのRenのレビュー・感想・評価

ナイト・ハウス(2020年製作の映画)
2.5
夫が拳銃自殺、それ以降「家」では不可解な出来事が相次いで起こる....なホラー・サスペンス。Disney+で観られるキワモノ映画シリーズ(そんなものは無いけど)の一端を担う作品。

意外と怖い。窓の反射とか家具の物陰を効果的に使った霊的演出の手数が多くて良かった。「家」に感じる恐怖ってこういうことだよな、という納得感。
そんなに予算の無い中作られた映画だと思うのだけど、そのぶんを埋め合わせる脚本の妙はしっかりあった。が、その反面見せ方次第ではもう少し評価が上がったかな〜と惜しい気も。もう少し本筋をはっきり分からせてもいいのでは?じわじわと余韻は広がるけど、観賞中は「こういうことでいいんだよな....?」と若干の不安を抱えながら物語を追うことに。

ストーリーが2回くらいパタパタ変わるが、180°ぐるんとひっくり返る快感というよりは、90°くらいでゆらゆらしちゃったような感じ。「そうだったのか〜〜!」ともっとスカッと気持ち良く騙されていいお話だったと思う....!

単純におばけの話としては面白かった。こういう理由でおばけが出ることもあるか、と一つのアンサーとして興味深く、某有名映画を彷彿とさせる。

主演のレベッカ・ホールも好印象。愛する人の喪失ゆえに人生に対して、悲壮感と言うよりも投げやり感を漂わせる、ちょっと面倒くさい人間をちゃんと演じていた。この人、夫が亡くなる前から性格に若干難ありだったんじゃなかろうかと勘繰ってしまう危うさあり。

全然知らん監督だわと思って観たけど、『ザ・リチュアル いけにえの儀式』の人だった。こちらは以前観て、話自体は全然覚えてないけど見たことないクリーチャーの造形が印象的な一作だったので、ぜひお時間のあるNetflix加入者の方の感想が聞きたい。



《⚠️以下、ネタバレ有り⚠️》










心停止を経験して以来、死に呼び込まれてきたベス。オーウェンは彼女を死から守るため、似た女性を生贄として捧げ(殺人を犯し)続けた。
命を落としても愛する人を守ろうとする霊の在り方がさながら『ゴースト/ニューヨークの幻』。

ラスト、誰もいないボートを見つめるベスの様子から察するに、問題が完全に解決したとは思えません。これからも死に付き纏われながら生きていくのでは。
優しい親友や隣人のおかげで舞い戻って来られたベスは、「死」を身近に感じながらもきっと「生」に執着しながら人生を歩んでいくのだろうという希望が垣間見える幕引き。
描き方が良かっただけに、中盤の密度がもっと濃ければ評価上がってた!
Ren

Ren