パケ猫パケたん

DAU. ナターシャのパケ猫パケたんのレビュー・感想・評価

DAU. ナターシャ(2020年製作の映画)
1.5
オーディション人数39.2万人、欧州最大1万2千平米のセット、製作年数15年、「ソ連全体主義」の社会を完全再現した、狂気のプロジェクト、という、コピーライトに、触発されて観に行った。

ベルリン映画祭で、銀熊賞(芸術貢献賞)を獲っており、ラース・フォン・トリアーの『ドッグ・ヴィル』みたいな、大実験映画を期待して、行ったが、この作品(単体)は違ったみたい。

登場人物も少なく、舞台となる場所も、ほぼ、食堂と取調室の2箇所であり、コピーライトの文言どころか、非常にミニマム、ミニマム過ぎる。室内を写した照明は、絵画の様に美しいが、ロングテイクで、揺れまくって不愉快。トリアーの映画みたいな揺れる画面ではあったが、彼のようなハッタリと機知がなかったなぁ。

ナターリヤ・ベレジナヤという中年の女性と、オリガ・シカバルニャという若い女性が出ていたが、オリガのキイキイ叫ぶ声が不愉快で、また、演技の方もオリガの方が勝っていたので、オイラの意識の行き場がなかったよ。昔の邦楽のspeedの、ボーカルみたいに五月蝿かったかも。

ナターリヤも別嬪さんでは、あるが、裸体に締まりがなくて、長時間AVみたいな事をされても嬉しくはなかったな。むしろ苦行だったなぁ。
 
巨匠の監督たちを、コスパの素晴らしい職人と定義するならば、この映画の人は寧ろ、最悪かな~、って思ったが、この映画は序章に過ぎない、後10本は続くとの事。少し安心したが、やはり、長いシリーズの掴みにしては、弱いな~。
ソ連の恐ろしさの描写は、想定内の範囲に留まっていたし。

まぁ、変態的な実験に入って行くと面白くなるのかも知れないが、観に行くかどうかは、微妙な出来だった。

やたらと食べ物を粗末にしていて、特に魚を粗末に扱っていて、(原始)キリスト教を軽視している感じ。キリスト教を無視したいがあまりに、唯物史観に凝り固まって、人々が横暴になる。やはり、人類にとって、ある程度の信仰と畏怖のこころは、必要なのかも。

後、推敲します(^o^)