てっちゃん

DAU. ナターシャのてっちゃんのレビュー・感想・評価

DAU. ナターシャ(2020年製作の映画)
3.8
劇場まで足を運ぼうかなと思っていたけど、ずるずるいって公開終了していたけど気になっていたので鑑賞。

とんでもない狂気の映画プロジェクト。
ソ連全体主義を再現してみましょうね、ということで当時の街を再現して、出演者を2年間住まわせて制作されたとんでもプロジェクト。
そのとんでもプロジェクトの本作は1弾目。
続きはまだまだあるらしい。

施設内の食堂で働く女性ナターシャが主人公。
その女性と同じ職場で働くオーリャとの会話劇が中心なんだけどそれがきつい。
仲良く話していたらと思うと、口論になり、殴り合ったりするし、そうかと思ったら仲直り。
双方言っていることが、相手を悲しませることしか言わないし、いちいち苛々する。
ナターシャはお前はダメだと、もっとああせいと言うし、オーリャは若さと美貌をこれ見よがしに見せつける。

ほんで食堂にくる客たちと酒飲んで、わいわいやるんだけど、酒飲みの悪ノリがきつくて、うわっとなってしまう。
魚をスティックにしたりと、食べ物で遊んだりしているし。

どこまでがリアルで、どこからが演技なのか分からないくらいに、”そのもの”を描いている感じ。
そこが実に不快なのである。
中年男女の絡みだったり、暴力によって制するやつ、洗脳ってこういうやつなんだとか。
見たくないから見ようとしないものを、わざと描いている感じ。

ナターシャの将来に対する不安が吐露されて泣きじゃくるシーンがとても印象的。
ついつい自分のことと照らし合わせたり、人間悩みは尽きないし、どこまでいっても悩みは悩みのままなのだと感じてしまう。

くすっと笑ったところは、絡みのシーンで男がナターシャのホックを外そうともがいていたけども諦めるやつ。
でも次は失敗しないぞ☆って気合が伝わってくるあたり、くすっとくる。

この物語だけでは、この狂気プロジェクトの何も伝わってこないから、まだまだ様子見って感じだから次作が気になるわいっと思って調べてみたら、次作は上映時間6時間!
膀胱が恐ろしく小さい私は委縮してしまったがオムツ装備で観に行く気満々。
地元で本作を上映していたところでは、次作を上映する予定がなさそうだったので諦めたとともに安堵の溜息が出ましたとさ。
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