【多分こうなるという皮肉満載】
笑うに笑えないブラックユーモアに溢れた素晴らしい映画でした。現実世界でもしこんな事が起きたら「まぁこうなるわな」って本当に思っちゃう。それだけ危機感なんて微塵も無い我々の欲望を忠実に反映した作品でした。ここまで強烈に風刺されると流石に笑えてきます。
設定はアルマゲドンやディープインパクトみたいな感じ。でも対応が全く異なります。地球へ衝突確実な彗星を発見した天文学者たちが政府やマスコミに必死に現状を伝えるが、誰一人として真剣に取り合わず。しかも政府は自身の選挙のために動き、マスコミはエンタメショーとして学者二人を笑い者にし、国民は危機感もなく無関心。
アルマゲドンやディープインパクトは世界中で危機意識を共有し、なんとか多くの人が生き延びるために知恵を駆使して行動するヒーローたちがたくさんいました。でもこの作品にヒーローはいません。
いくら真剣に、ときには狂気的に彗星の衝突を訴えても誰も信用せず笑うだけ。さらに国民たちは学者を見つけてはストリーミング配信をし始めたりバカにしたりする始末。この風景はリアルすぎて笑えないけど笑うしか無いよね、って感じ。
そして最後はちょっと考えさせられる展開で物語は終了しました。最後の最後はコメディチックな雰囲気を醸し出していますが、そこがなんとも言えない気分にさせられる巧すぎる物語の締めくくり。すごい映画だなぁと思います。
といった感じで、豪華キャストでお送りするリアリティしか感じない終末の人間ドラマ。今年観た映画の中で最もインパクトがありました。ぜひ皆さんも機会があれば観てみてください。
