"君の死因はブロンテロックだ"
知名度も実績もない天文学教授ランドール・ミンディ。
ある日、教え子の大学院生ケイト・ディビアスキーから、未発見の巨大彗星を発見したと報告を受ける。
世紀の発見に歓喜する一同だったが、その彗星の軌道を計算すると、どうやら6ヶ月と14日後に地球に衝突し、大規模な災害をもたらすのは間違いないらしい。
彼らはこの未曾有の危機を世界中に知らしめようと、何とか政府に伝えマスコミに公表するが、その熱意は空回りするばかり。
そして事態は予想もつかない方向へと転がり始める…。
笑うに笑えないブラックコメディだった。
俳優陣は無駄に豪華(褒め言葉)で、冴えない中年の天文学者のレオナルド・ディカプリオを始め、キレまくり学生のジェニファー・ローレンス、選挙と高額寄付者のことしか頭にない大統領メリル・ストリープ、手練手管の司会者ケイト・ウィンスレットなど、真実味のある確かな演技で物語に説得力を与えている。
おバカ芸能人アリアナ・グランデも意外に良い味出してたな。
世界規模の危機に対する政府やマスコミの反応の描写は、"さもありなん"といった感じで、徹底した風刺が利いていて好み。
日陰の学者がマスコミにチヤホヤされて自分を見失っていく感じとか、指導者が世界の明日より自分の利益を優先させるとか、「人間の性」の描写が絶妙だ。
ラストまで皮肉たっぷりで、結末も救いようなし…。
「正しいことを行なうって何なのよ?」って感じだ。
まあでも、自分がゆく道を自分で選択できた主人公たちは、幸せだったのだろうなとも思う。
ハナマル!
2022/04/17