ぼくは猟師になった。
ってフレーズがとてつもなくキャッチー。
このフレーズを聞いて、観てみようかな!?ってならない人とは相容れない気がするまである。
漁師ならともかく、
猟師って現代日本で食っていけんの!?
ってまずそこからそりゃあ入るんだけど。
千松さん、
住んでるのも市街地にすぐアクセスできる裏山程度のとこで、
猟師一本で食ってるわけじゃないから逆に安心した。
めっちゃ荒ぶってる猪とか、
罠って、殺すための罠なんじゃなく捕獲するための罠なんだなとか、
罠にかかったやつが力尽きるまでの耐久戦とか、
僕 ら の 知 ら な い 世 界
たぶんマツコも知らないし、
松尾も知らない。
必死に抵抗してくる猪と、
木の棒で戦う千松さん。
あれ見ると、
やっぱドラクエの初期装備で戦うなんて無理じゃん!
ってわかんだね。
ぼくは檜の棒で大ガラスとかコウモリと戦う自信がない。
命をかけて獲物と戦って、
それを自分で捌いて、
料理して食べる。保存食にする。
人間の原風景なんだよな。
昔ベトナムを放浪してた頃、
地方の小さな町で、
生きた鶏を持ってバスを待ってたおじさんがいたんですよ。
鶏を一回地面に置いた時に鶏が暴れ出したんで、
首根っこ掴んで、何度も地面に叩きつけんのよ。
バス停で。
すっげーもの見たな~、
って思ったんだけど、
でも人間と動物って本来そういうものだと思うから、
現代でも外国ではそういう価値で生活が営まれてるんだと思うと、
何だか嬉しい。
千松さんは、動物が好きだからこそ猟師になったって。
すごくわかる。
動物と人間との関わりを突き詰めて考えたら結局、
人間は動物を食べて生きてきたし、
そうやって生態系は保たれてるんだって気付くのよな。
食糧になる動物に感謝、とかそんなことじゃなく、
まずは「生きていられること」に感謝をするのだ。
世界のプロ市民たちのせいで捕鯨船が激減(というかほぼ消滅)して、
いま太平洋でクジラが増えすぎて、
クジラの餌になる中型魚(マグロとか)が未曾有の資源不足になってる。
「生きていられること」に感謝できているのか?
「生きていられること」に価値を見出せていない人がガーガーガーガー言う世の中だ。