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100日間生きたワニのkuroのネタバレレビュー・内容・結末

100日間生きたワニ(2021年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

ツイッターでの1日1作の100日後の死へのカウントダウンフォーマットがバズの要因で,話そのものはとくに語ることはない。ラーメン食ったり,映画を見たりという日常からの突然の死の断絶感と見ていた者たちの取り残された寂寥感が原作のピークであった。原作はワニの死後直後の商業展開アピールがすべてをぶち壊した。本来ならワニの死を悼む盛大な葬儀が行われるはずだったが,葬儀の前に弔問客がいなくなってしまった。
映画化で前半30分がワニの死までのダイジェスト,後半30分がワニの死後の友人知人たちのそれからを描いているが,原作を知らない者にとってはワニの死の意味を感じることはできない。葬儀の弔問客がいなくなっていたのに,一周忌にわざわざやってくる者はほとんどいない。
ワニの死後にカエルが友人知人の人間関係を活性化させる役目を担って登場するのだが,見ている者にとっては距離感をつかめてない危うい人物にしか見えない。ネズミがカエルを取り結ぶ仲介役となるのだが,ネズミがカエルとの間を取り持とうとするリスクをなぜとったのか理解しがたい。
アニメーションとしては,間の取り方がよく言えば独特,悪くいうと間延び気味だし,動きは少なく昔のFlashアニメのようだった。原作の惨状から1年後に,63分しかない間延び気味の動きのすくないアニメをフルプライスで上映しようとした東宝は何を考えていたのか。
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