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Dream Factory(英題)のzogliのレビュー・感想・評価

Dream Factory(英題)(2019年製作の映画)
4.0
1961年、東ベルリン
陸軍を除隊してきたばかりの24歳のエミルは、生活の糧を求めてその足で実の兄アレックスが大道具係として勤める映画撮影所にやってくる
軍属だったせいで世間知らずなおまけに映画の世界については右も左もわからないにもかかわらず、早速エキストラとして仕事をさせられるエミル
主演のフランス女優のボディダブルとして踊る仏女性ミロウに一目惚れした挙句にカメラテストで勘違いから彼女にキスをしてしまい、監督を怒らせ、セットを破壊し…初日にして現場を混乱に陥れる大失敗をしでかしてしまう
クビになりそうになりながらもミロウにキスを侘び、明朝スタジオでまた会おうと約束を取り付けるものの、なんとその夜に東西の緊張が高まりベルリンの境界線が封鎖されてしまうという事態に…!西ベルリン側のホテルに滞在していたミロウはスタジオに来られないばかりか身の安全のために飛行機でフランスに帰国、たった1日で恋に破れたエミルは東西の行き来が不可能になったためスタッフが減って手薄になった撮影所で身分を偽り監督になりすまし、いつかミロウと再会するためだけに新作映画製作に無謀にも取り掛かるのだった……


恋をどうにか成就させるために奮闘するおバカ弟に協力してあげちゃういい兄ちゃんなケンデュケンが大好きすぎて円盤買ったくらいだし、この作品がきっかけでデニスモーイェンも気にして観るようになった
英語版(英題は世の中に2種類出回ってて、dream factoryとdare to dreamというやつがある、はず)すら手に入らないけどどうにか日本語化されて観られるようにならないかなー

東西分裂をドラマの悲劇/悲恋に使うのこの国の定番だけど、これは流石に『昨日の今日で封鎖かよ〜?』ってツッコミたくなっちゃった
ドイツ作品なのに珍しくベッドシーンもないし、対象年齢6歳〜なのに中指は立てるけど微笑ましい話だし、冷戦時代の東ベルリンの話なのに秘密警察のヒリヒリ感とかも特に無いし誰も死なないし、好きな女子の夢を叶えてあげる優しい話で好き

ただしそんなに話は深くもないし相手が外国人なのにドイツ語喋ってくれる都合のいい展開だし…文句はあるけどその辺は推しが良くて許してしまうんだよなぁ
adidas vs pumaだと白ランニングのデュケンだけどこれは白シャツ+サスペンダーのデュケンなのでそれも良し

当初はアレックスが弟をbrüderchen呼びしてて歳の離れた弟かわいいんだろうなーとか思ってたんだけど
何回か観ててよく考えたら1961年時点でエミル24歳で40年生きてて〜ってセリフがあるから少なくとも弟と16歳離れてる兄ちゃんは多分WW2では軍属だった可能性もあるし(潜水艦乗ってたのかフィンランド駐在だったのかとか過去作観てると勝手に想像がふくらむ)、従軍を終えて五体満足で生きて戻ってきてだいぶ経つのに自分の家庭があるような描写も特になく、逆にアレクサンダーお前今まで何してたんだみたいなその辺もとても楽しい(わたしだけが)

冒頭に出てくるお孫ちゃんがものすごい破壊力のかわいいボーイで今後が楽しみ

スウェニャちゃんははこれで3-4作観た事になるけどどの作品でも役の印象が違ってて、雰囲気変えられる素敵な芝居の出来る役者なんだなーと注視中
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