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オッペンハイマーのzogliのネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
2.4

このレビューはネタバレを含みます

IMAXレーザーで鑑賞

この地球上で唯一の被爆国の生まれ育ちである我々にとって特にあまり意味をなさない映画
観終わった後に特に残るものはない
いろんな俳優が出てたなー、抽象的な映像が多かったなー、セックスシーン全く必要なかった気がするなー、くらいで
半分は擬似裁判みたいなチープな科学者たちの足の引っ張り合い観させられてるだけだし

特に再鑑賞したいなと思わないのもノーラン作品では初めて

尿意と闘いながらの3時間、RDJの助演男優賞、これで???と思ったし、そうか今年のアカデミー賞は作品の善し悪しよりは全てがユダヤへの忖度だったのだなという感想しかない

米国にとっては『原爆の父が、自らが極めた道が大量殺戮兵器製作に繋がった事に罪悪感を背負い、その後の軍拡と水爆開発に反対してたなんて人間性が素晴らしい』とかそんな感じの作品なのか?
『国や所属組織に対する忠誠心を示し、その時代の他国との関係や世界情勢をうかがいながら自分の研究/専門分野に対して一途な仕事をした結果、個人としては望まない、止められない大きな事態につながりうる』ってのを描いてるならそれはまさに今のイスラエルがパレスチナに対して行ってるジェノサイドに加担してる米国の姿そのものだよ
皮肉だとは思わないのか
降伏させるには民間人がたくさん死んでも仕方がないって今も何も変わってないし

とにかく登場人物多くて名前と役職おぼえながら観るのちょっと大変
有名俳優が滝のように溢れ出てくるから役名と俳優自身の名前とでなおさら混乱しがちだし、あーこれ〇〇に出てた俳優だわ名前なんて言ったっけ?とか思ってると話に置いていかれる(もういっそ画面に常に名前表示してて欲しい、ビデオゲームみたいに)



我々は原爆投下を決めた米国大統領など恨んでもいなければ名前すら知らないのであの大統領の自己を犠牲にして悪役を背負ったみたいなセリフの薄っぺらさを知っているし

原爆投下目標を決める際に京都を除外したあのどこの誰だか知らない彼の「新婚旅行で行ったけどいいとこだった」などというあのセリフのとってつけたような称賛は我々には響きもしないから余計でしかないし

何よりオッペンハイマーが自責の念を痛烈に自覚するシーンの、あの被爆者のイメージ映像が本当にただの想像のものでしか無い事がもうなんというか……配慮だとしたらその意味の無さに驚くというか
日本の被爆者に同情してくれるひとでよかった、とかも全然思わないし、彼のかかえた罪悪感が余計に陳腐に映るというか

爆撃そのものの被害に加えて被曝による実際の被害はあんな皮膚がぺりぺり剥がれる想像のものとは比べものにならない規模なのに、あんなもんで自己を哀れまれてもねぇ、ってのと
寝た女が自死したときのあの後悔と原爆とが同列みたいに描かれてて軽々しくて

そんな想像でお送りする被爆者イメージ映像なんていらんからナガサキをヒロシマと同列に扱ってくれ

そして先住民の方やそのご家族、子孫の方々への配慮のなさがしんどい
秘密裏に実験してたせいでなんの通知も無く避難もできないまま被爆させられてるんだぞ…
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