Aya

リンダ リンダ リンダのAyaのレビュー・感想・評価

リンダ リンダ リンダ(2005年製作の映画)
3.7
この立誠シネマ・プロジェクト、という劇場名をここに明記するのも最後ですかね・・・。

学園祭での3日間という超限定されたお話。
今回、山下敦弘監督のトークショー付きでの体育館上映。
めちゃくちゃ上がるシチュエーションじゃないですか!
トークショー大変興味深いお話が聞けたので一番下に書いておきますね!

7月にプロジェクトとして終了した立誠小学校での映画館運営。
繁華街にあるので今は使えなくなった古い小学校の音楽室をそのまんま映画館にしました!な映画館で大変こじんまりと楽しませて頂いていた、言い方悪いけどムーブオーバー劇場として見逃し映画回収のできる「立誠落ち」なんて単語を使っていた映画館でした。

行政のやっていたシステムなので、終わってしまうのはしょうがない、と思っていて。
しかもこの観光バブルの京都の繁華街、木屋町のど真ん中にあんなに大きな土地があるなんて・・・そりゃ高く売りたいよねぇ、売れるよねぇ今なら!
取り壊してホテルにするそうです。

「リンダリンダリンダ」は10年前の公開当時見ていて。
でも当時は年に1本映画を見るか見ないか、レベルだった私。韓国もそんな興味なかった。
じゃあなぜこの映画を見たのか?

ベボベの関根嬢が出てたからだよ!

当時はいろんなバンドのライブに足を運びまくりだったので、関根ちゃんが出るの?!と食いついて見た記憶が・・・。

あれからほぼ10年。ほぼ内容を忘れてるw

からさあ!!
今、映画館で、なかなか見れないものが見れましたよ?!

小出恵介出てたっけ?!
松山ケンイチ出てたっけ?!
あの子湯川潮音だったの?!
とわりとびっくりしてました。

というか、香椎由宇が美しすぎるんだよ!!
撮影当時本当に高校生だったという彼女・・・ちょっと神秘的ではないですか?

そしていきなり声をかけられてテキトーに返事をした結果、明後日の学祭でブルーハーツを歌うことになるペ・ドゥナ。
あの前髪のボサボサ感が絶妙ですよね。
「頑張れ!グムスン!」の後「グエムル」の前って絶妙だなオイ。

関根ちゃんはわりと本人に近い役かと。
メンバーの中ではリアルバンドウーマンを1人置いておくのは大事だし、M on企画でもあった本作的には組みやすいよね。
そして音楽面へのアピールはバツグンだったんだよ。
やっぱ当時の「ベボベの関根嬢」というと「超可愛いベーシストがいるんだけど」的な立ち位置だったじゃないですか。

そして語り手になる前田亜季。
まぁ華はないけどリアル、なんだよね。
私たちは香椎由宇でもペ・ドゥナでも関根嬢でもないけど、この子の気持ちならわかる!みたいな。

たった3日間の話やったんやね・・・。同じ、過ぎ去った素晴らしき青春を切り取った3日間と言えば今年見た「エブリバディ・ウォンツ・サム」を思い出したり。

どちらの映画も輝かしき青春の全力3日間が詰まってるんだけど、戻れない、ってのがミソだと思っていて。
その眩しさ儚さに涙が出る。

彼女たちだって3日間だけじゃなくて半年バンドを続けてたら仲悪くなるかもしれない。
お互いの見なくていい部分が見えちゃうこともあるしもっと深く絆を深められるかもしれない。
でもそんなこと今は関係なくて。

とにかく明後日の学祭ライブでブルーハーツを演ることだけしか考えてない。
若干の恋愛要素もあるけど、スパルタ映画にしてしまわないのも大事かなぁと。

話としてはわりとオーソドックスだとは思うんですけど、そこのストーリーテレング力というかなんというか。
ほんと最高でした。

何気に川原とか学祭のとことかものすごい長回しのロングショットがあったりしてハッとさせられた。

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山下敦弘監督と立誠シネマ支配人田中さんのトークショー

まぁ、京都で音楽もの映画なので進行は岡村先生なわけで。

なんとこのお二人学生時代からのお付き合いだそうで、監督が京都にいらっしゃるのは「超能力研究部の3人」上映同時コメンタリー以来とな。
(これ、見た後に「味園ユニバース」を見に二条まで走ったよな、とか思い出したw)

この絶妙なキャスティングについてとても興味深くて。

元々は企画ありきということです途中煮詰まってらっしゃった監督。

いろんな方がオーディションを受けていた中、香椎由宇さんが最初に決まったとのこと。
彼女のマドンナみたいな見た目と裏腹の暗い感じに役を見出したとか。

ちょっとありそうもないことをゴネれば時間が稼げるかな?と「吠える犬は噛まない」を鑑賞し、ポン・ジュノ監督とも一応面識があるということで「ペ・ドゥナがいい」と言ったら思いのほかプロデューサーが乗り気になり、話がトントン拍子で進んだそうな。

そして関根嬢はまさかのライブ後に制服姿でベースを背負って帰る彼女を見て、まんまやん!とキャスティングした事などなど。

雨のシーンは「台風クラブ」をイメージして、そして映画は「ザ・コミットメンツ」を意識したそう。

そして今作を「今だに見返すたびに自身も成長できる」と仰ってました。
Aya

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