唯

マグノリアの唯のレビュー・感想・評価

マグノリア(1999年製作の映画)
3.1
追い込まれ切羽詰まった人間の狂気じみたハイテンションと早い展開が続くが、どうリンクしてどこに着地するのかが見えず、だからこそ目が離せない。それぞれに欲しいものやなりたい自分や理想の暮らしに手を伸ばすも、神などいないかの如き無慈悲さで益々彼らを追い詰める。過去は関係なくないし、人生後悔や諦めばっかだし、今生こそが業。生きるのは果てしなく過酷な仕打ちだ。そして、死を前にして赦しを乞う身勝手さ。懺悔とは自らの気持ちを軽くするためであり、相手に負担を強いるもの。であっても、そうするしか死ぬことすらままならない。「過去を捨てたと思っても追いかけて来る」「愛があるのにその捌け口が見つからない」生涯を捧げて愛し合える人がいなくとも、今目の前にいる偶然にすれ違った人と束の間心を通わすことが出来る。今に溺れるだけでも幸せかも、そしてそれを永遠に出来れば尚良しだけど。
蛙が降って来るのが一番の衝撃だった。
唯