飛松

マグノリアの飛松のレビュー・感想・評価

マグノリア(1999年製作の映画)
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懊悩している人たちによる群像劇。「罪(裏切り)」と「赦し」が命題の一つとなってたり、逃れられない過去に苦しんでいたり、空から降ってくるのがカエルだったり、所々にこぶしファクトリーにつながる要素があった。3時間超の長尺で何だか面白そうな始まり方をした割には、あまり感情移入できなかった。多分僕が懺悔や告白を「反省と謝罪を安易に可視化することで他者からの許しと自らの精神的安定という対価を要求する卑怯で甘えた行為」としか捉えられない偏狭な無神論者だからだと思う。ダンサーとのお泊まり熱愛が発覚したことに対し頭を丸めて謝罪会見してる人間を見ても、下品だな以外の感想は持ちようがない。取り返しのつかないやらかしに対して必要なものは、墓まで、脱退まで、卒業まで、グループ解散まで、後悔を抱えて生きる覚悟なのではないか、と僕は思う。唯一、「俺は自分の生き方に対して謝らない」とシャウトするトムクルーズ演じるセミナー講師にのみ、拍手を送りたい
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