のら

カーズ2ののらのレビュー・感想・評価

カーズ2(2011年製作の映画)
2.0
正直みていて辛い映画。なんで辛くなっているのかというのは単純に脚本の質が低いというのもあるが、本作最大の問題は主人公をライトニングからメーターに変えてしまったことにある。

このメーターがとにかく中身の無いことをペラペラと続ける。考えてみてほしいジャー・ジャー・ビンクスが主人公のスター・ウォーズなんて誰がみたいと思うだろうか?本作の最大の欠点はメーターの扱いにあるが、それだけが本作の抱えている問題ではない。

ポール・ニューマンの死去に伴って前作でメンターの役割を担っていたハドソン・ホーネットが居なくなっている。その代わりに今作からマイケル・ケイン演じるフィン・マックミサイルが加わるのだが、マイケル・ケイン自体がどちらかと言うとちょっとトボけた感じの役が多いせいか、ポール・ニューマンと比べると締まらないし、主人公を導けてない場面が目立ってしまっている。そのためメーターのウザさが悪目立ちする事になっている。

確かにアメリカが舞台だった前作と違い、今作は F1 のように世界中を転戦する話なので、前作には無かった市街地コースが登場していてレースシーン自体はカッコイイ。またカーチェイスのシーンや007ばりのアクションシーンも良い。悪役の動機も車好きにはニヤッとする内容だし、現実の車だしたり、街のデザインとかも至る所に自動車の意匠を取り入れたりとビジュアル面は悪くはない。

しかしどうしても話の部分が足を引っ張ってしまっている。脚本部分での生煮え感や未完成さを強く感じてしまう部分が多く。敵の目的と手段が金持ちの道楽すぎて「また七面倒臭いことを!!」と言いたくなるようなオチだったりと、ピクサーブランドで世に出すクオリティには達していない映画になってしまっている。
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