さとし

ザ・ファイブ・ブラッズのさとしのレビュー・感想・評価

ザ・ファイブ・ブラッズ(2020年製作の映画)
4.8
これは衝撃的な作品ですね。

いろんな作品に挑戦し続けルスパイク リー監督最新作はなんと戦争アクションでしたね。2時間35分は若干長く感じましたが、意味のある濃密な時間でした。

前作の「ブラック クランズマン」同様に黒人差別問題も取り上げつつ見てる側に楽しめるような内容の作品を作る監督ですね。スパイク リーというと「ドウ ザ ライト シング」という方が多いと思いますが、今作もエンタメ要素と教育要素を上手くバランスした作品です。

そして、作品の中心にいるのがベテラン俳優デルロイ リンドウです。この俳優さんは90年代にピークして「ブロークン アロー」や「身代金」に出ていたのを覚えています。あと思い出と言えば、「ザ コア」の演技も印象的です。今作では兵士と父親の2面制を上手く使い分けていますね。あのマーケットのシーンは演技してるんだかドキュメンタリーを見てるのか区別をつけるのに時間がかかってしまいました。ひょっとしたらアカデミー賞も夢じゃないかもしれませんね。期待したいです。

脇を噛めるのは「ブラックパンサー」のチャドウイック ボーズマン、ジャン レノそして、「リチャード ジョエル」本人も登場します。ただし、彼らは脇役ですね。中心となるのは黒人キャラ5人とチャドウイク ボーズマンのキャラとの関係です。私なんかはベトナム戦争物というと「グッドモーニング ベトナム」とかを思い受けべますね。あれはあれで良い作品でした。

印象に残るシーンは息子のデヴィッドが地雷を踏むシーンですね。あれはスリリングですし、ハラハラしましたね。あれほど衝撃的なシーンはそうない気がします。「ミッドサマー」の自殺シーン並みです。あと、回想の戦場シーンと現代のシーンへと切り替わる度に画面のアスペクト比が変わるのも特徴的です。

ただし、2時間35分は長すぎです。もう少しどうにかしてほしかったです。でも、「アイリッシュマン」のように若く見せる技術を使わなかったのはよかったと思います。

まあ、非常によかったです。
また、結構タイムリーな作品になりました。
さとし

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