あなぐらむ

性春リバーサイド ふたりでイこうのあなぐらむのレビュー・感想・評価

3.3
千葉を舞台にしたピンク版「セトウツミ」。
しゃべくりの面白さに裸映画を接続する、絡みだけのグランドホテルは橘秀樹と細川佳央、若手男優二人の日常会話だけでテンポ良く進め、山内大輔の編集が映画を補強していく。池島監督ならではの俳優部の厚み。

池島組二本目の佐山愛が処女と熟れた大人の女をフラットに演じ分け、身籠った女の怖さもさらりと見せる。
「コケシと花嫁」の倦怠感あるデリヘル嬢に続いて童貞食いの中年教師を沢村麻耶が好演。
池さんお気に入りの佳苗るかは絡み要員だがやはり芝居が巧い。

本作では随所にスプリット(分割)画面でのカット進行を取り入れ変化を加えている。今までピンクで容易にできなかったことをデジタルでどんどんやっていこう、若手も育てよう、という池島ゆたかのセメントマッチ132本目。
五代暁子にこんな若いホンが書けるとは驚き。
因みに劇中終盤で佐山さんが着てるグラウンドコートは、あんまり寒くて助監督さんのものを羽織らせてもらってそれを撮ったそうだ。
池島さんの舞台挨拶は毎回面白かった。