へたれ

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースのへたれのレビュー・感想・評価

4.4
良かったとこ1 さらに進化しまくった映像
アメコミのような画面づくりだった前作からさらに進化して、今作はアメコミがそのまま動いているような映像。特にキャラクターと背景のトーンが連動していて、CGで動かしたような印象をまったく受けない。こんなアートアニメのような密度で描かれた絵が140分間も動き続けるのは驚異的だし、見たことがない。

良かったとこ2 王道を行くストーリー
普遍的なストーリーを堂々と行っていて、マルチバースという設定に反して軸がまったくぶれないのが良かった。
前作が「誰がヒーローになるべきか?」というテーマたとしたら、今作は「ヒーローであるための条件とは何か?」に踏み込み、自分の運命を知り、そこから決定論に抗っていくという王道的展開。しかも運命に抗う理由もシンプルで普遍的。
お約束的展開ではあるけれど、映画冒頭でバンド内で孤立していたグウェンがラストシーンで言うセリフも、次回作に向けての最高の盛り上がりに繋がっていて良かった。

良かったとこ3 脇役たちの充実
様々なスパイダーマンが出てくるのは前作と同様だけど、彼らの特徴がうまく使われているのが良かった。まず、グウェンを実質的な主役にして、彼女の話を深掘りしたおかげで、彼女の魅力が大幅に上がっていた。パンクロッカーのホービーなど、ルックスの面白さに加えてストーリーにもちゃんと絡んでくる扱いになっていて、前作ではやや弱かった脇役たちの扱いがうまく解消できていた。
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