よしまる

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースのよしまるのレビュー・感想・評価

4.5
前作がアニメーションの新たな地平を創出したエポックであっただけに今作に対する期待と不安も相当なものだったのだけれど、もちろん迷わず劇場へ、そして見事に前作を超えてきて大満足!
あ、スコアが低めなのは1作品として完結していないせいです💦

表現としてのアニメの多様性、実写以上のCGとの親和性、さらには実写をも取り込む貪欲さ、それをすべてマルチバースだからで納得させる力技。

いや、マルチバースだから何でもありという言い訳ではなく、マルチバースだからこそ行き着いた表現と、あえて言ってしまいたい。

アニメーションほど制限のない表現方法はないわけだけれど、だからこそ映像の美しさだけでは面白い作品にならないというジレンマがある。近年のピクサーが陥っているのがココだ。同時期のスーパーマリオでさえ、ストーリーについては満点とはいかない(次回レビュー予定)。

その点で全てのスパイダーマンに共通するテーマ、それはヒーローであることの責任であったり人助けと恋愛の両立であったり、また愛する人との別れだったり。
そうした部分を正面からきっちり描きながら、色んな世界から飛び出してくるスパイダーマンのビジュアルを楽しみ、それぞれのスパイディが持つ悩みに共感し、マルチバースとしての面白さを存分に活かしている。要するにめちゃくちゃバランスがよくしかも高次元で成立させているところがこの高スコアに現れているのだろう。

ところで劇場では字幕鑑賞してしまったのだけれど、やはりこの情報過多なアニメーションは吹き替えでじっくり画面に没入したいところ。続編の前に吹替版の再鑑賞必須とメモしておこう。