ひろぽん

ライアー×ライアーのひろぽんのレビュー・感想・評価

ライアー×ライアー(2021年製作の映画)
2.9
恋愛経験ゼロの地味な女子大生の湊が、ひょんなことからギャルメイクの女子高生に変装することになり、女癖の悪い義理の弟がそうとは知らずに彼女に恋をしてしまったことから2人の嘘の恋が始まる。果たして2人の関係はどうなるのかという物語。


親友の真樹の頼みで、女子高生の制服姿にギャルメイクで渋谷の街を歩いていた湊が、たまたま義理の弟の透に遭遇してしまう。咄嗟に別人のふりをしてミナと名乗り嘘をつくも、そんなギャルメイクの義理の姉に気づかず、女癖の悪い透がミナに恋をしてしまうというお話。

はじめは女癖の悪い弟を懲らしめるために、嘘をついて芝居をしていたのに、付き合う中で純粋にお互いが惹かれていくというこれまでにない斬新な設定が面白かった。

普段冷たい態度でクールなキャラを気取っている透が、ミナの前では情けないほど情緒不安定なメンヘラキャラに大変身するのには、ちょっと引いてしまった…
スマホを持っていないという相手に、スマホを買ってあげるという行動も大学生としては凄すぎる。


なぜ姉に激似の女子高生に真剣に恋をするのかという理由が分かると腑に落ちる。

血の繋がりはないにしろ、義理の姉弟という家族関係の中で恋愛をしている点については、完全にアウトだろうと思いながら、どうやって終着させるのかハラハラドキドキしながら鑑賞していた。

仕草とか話し方で気づかないというのも鈍感すぎると言うのか、恋は盲目というのか。透以外は皆気づいているのが面白い。

ライバル役として登場する烏丸の、無邪気で爽やかな笑顔が輝く見た目とは反して、秘密を明かさない代わりに肉体関係を迫ろうとするホラー演出が恐怖でしかなかった。彼の言動全てがギャップがあって本当に怖い。根は良い奴なんだろうけど。

透と烏丸がバチバチにやり合ってるシーンが本当に好きだった。お互いが好きな人のために全力で潰しにかかるというのが野生の本能みたいで。

最後の結婚式に烏丸を呼んでいるというのもさらに怖い演出だし、どんな心境で誘っているのか全く分からなかった。


森七菜も松村北斗も小関裕太も3人とも演技は自然でとても良かった。ジャストフィットしてない森七菜の浮ついたギャル姿が好きだな。

こんなにも誰一人として感情移入できない恋愛映画なかなか珍しいと思う。後半は展開が早すぎてびっくりした。
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