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カラミティのkazu1961のレビュー・感想・評価

カラミティ(2020年製作の映画)
4.0
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-197
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋とても素晴らしいアニメ作品です。『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』のレミ・シャイエ監督の作品なので、同様にとてもアニメの作画が印象的です。輪郭線を廃して、あたかも美しい絵画のような出来上がりに感銘。ヘタウマ感が見え隠れする映像と純粋なヒロイン物語は、エンタメ作品としてかってのジブリを思い出させる作品です。

🖋本作、西部開拓史上、伝説の女性ガンマンと知られるマーサ・ジェーン・キャナリーの子供時代をアニメ化した作品。西部での旅で、父親の負傷によって家族を支えるために父親の役割をこなそうとした少女が、女性らしさが求められた時代の風潮に抗い、カラミティ(厄介者)と疎まれながらも、自らの信念を貫いて成長していく姿を描いた作品です。この脚本がなかなかグッときます。

🖋そして監督自身がアメリカの古い観光ポスターを参考にしたと語るシンプルでインパクトの強さがあり、そして飽和色を使って、光の揺れと照明効果を出した、その作画がほんと素晴らしいです。これだけでも一見の価値ありですが、そのストーリー展開もとても素晴らしい作品です。

😌Story:(参考: 公式サイト)
マーサは家族とともに大規模な幌馬車隊で西に向けて旅を続けていました。旅の途中、父親が暴れ馬で負傷し、マーサが家長として幼い兄弟を含め、家族を守らなければならない立場になってしまいます。普通の少女であったマーサは、乗馬も、馬車の運転も経験がありません。そんなマーサは、少女であるがゆえの制約に苛立ち、家族を守り、世話するために少年の服を着て、少年のように振る舞うことを決心します。女性は女性らしくという時代にあって、マーサの生き方は、古い慣習を大事にする旅団の面々と軋轢を生みます。更には、野獣に襲われているところを助けてくれたサムソン少尉を旅団に引き合わせたことで、マーサは大きなトラブルに巻き込まれていきます。そして・・・。

🔸Database🔸
・邦題 :『カラミティ』
・原題 :『Calamity, une enfance de Martha Jane Cannary』
・製作国 : フランス・デンマーク
・初公開 : 2020
・日本公開 : 2021/09/23
・上映時間 : 82分
・受賞 : ※※※
・監督 : レミ・シャイエ
・脚本 :
・原作 : ※※※
・撮影 :
・音楽 : フロレンシア・ディ・コンシリオ
・出演 : サロメ・ブルヴァン、アレクサンドラ・ラミー、アレクシ・トマッシャン

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
「ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん」のレミ・シャイエ監督が、西部開拓時代のアメリカに実在した女性ガンマン、カラミティ(厄介者)・ジェーンの子ども時代を描き、アヌシー国際アニメーション映画祭2020で長編部門のクリスタル賞(グランプリ)を受賞した長編アニメーション。12歳の少女マーサ・ジェーンは家族とともに大規模な旅団に加わり、西へ向けて旅を続けていた。しかし旅の途中で父親が負傷し、マーサが家長として家族を守る立場になる。少女であることの制約にいら立つマーサは、家族の世話をする義務を果たすため少年の姿で生きることを決意。そんな彼女の生き方は、古い慣習を重んじる旅団の人々との間に軋轢を生む。さらにマーサを危機から救ってくれた中尉を旅団に引き入れたことで、盗みの共犯の疑いまで掛けられてしまう。
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