こたつむり

眼には眼をのこたつむりのレビュー・感想・評価

眼には眼を(1957年製作の映画)
4.1
疑心暗鬼の極み。
荒野に広がるものは、果たして?

TSUTAYA発掘商品ラインナップの一本。
うん。これこそ、まさしく発掘。
見事に埋もれた名作を掘りだしました。

物語としては至ってシンプル。
右か、左か。
進むべきか、戻るべきか。
親切心か、敵意か。
自身の中にある二択を描いたものなのです。

ですから、出来る限り。
鑑賞前に情報は仕入れない方が吉。
丁半博打のような作品ですからね。

あと、医療関係者は心して臨んだ方が良いです。
というか、いつもいつも激務お疲れ様です。
「医者は儲かっていいよなー」なんて嫌味を聞くことがありますが、いやいや…あんな激務はない…と思いますよ。これからもよろしくお願いします。

閑話休題。
本作の見どころは。
異国の神秘と恐怖に満ちた“舞台”。
言葉は通じず、自分が頼るべき近代機器もなく。
まさしく孤立無援の状況で照りつく太陽。
見渡す限りに拡がる“死”の風景。

この“舞台”は中東の何処か…。
だと思っていましたが、調べてみたらロケ地はスペインだとか。ほほう。フランスの物語でアラビア語のようなものを使っていたので、かつて植民地だった場所(あまり詳しく知りません)だと思っていましたが…。世界は広いものですな。

まあ、そんなわけで。
ただただ翻弄され続ける主人公の心理に自分の感情を寄せて鑑賞すれば。手足は震え、口の中までカラカラに乾いた気持ちになれること請け合いの物語。眠れぬ夜に観たら、さらに眠れなくなることでしょう…。
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