カルダモン

ショック・ドゥ・フューチャーのカルダモンのレビュー・感想・評価

3.6
無機的な音がリズムの脈を打ち、音楽に生命が宿っていく高揚感。部屋の半分を埋め尽くす巨大な壁のごときアナログシンセサイザーは圧巻の存在感。無骨なマシンをメガネ女子が操るだけで絵的にはOK。
演じるのはアレハンドロ・ホドロフスキーの孫アルマ・ホドロフスキー。

ギャスパー・ノエの『climax』に続き、ここでもオープニングを飾る楽曲として使用されている『Super Nature』、アガる。レコードで少しだけ流してくれ『Frankey Teardrop』も懐かしくて痺れました。もっと聴かせろ!

70年代後半、電子音楽で名を馳せる女性アーティストがまだ少なかった頃、なんとか自分の心地よい音を探して、曲が出来上がり、人に聴かせるまでの心の昂りに同調する。特にドラマティックな出来事は起こらないのに、それがちょうど良いように思える。

短い尺の割に登場人物が多めで、名前も覚えられないし、どういう立場の人間なのか把握する前に映画が終わってしまい、誰が誰で何なのかよくわからん、みたいなこともあるのだが、そこまで重要な要素とも思えず雑に見てしまった。

プロデューサーぽい人に自信作を聴かせたら反応がイマイチでメソメソしちゃう主人公。メンタルがガラス過ぎるけど、立ち直るのも早かった。



劇中で使用されたドラムマシン『CR-78』は音がポコポコチキチキ。この機材使ってる曲でふと思い出したレディオヘッドの動画。撮影はポール・トーマス・アンダーソン。https://youtu.be/Ti6qhk3tX2s