うみぼうず

ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償のうみぼうずのレビュー・感想・評価

4.0
とても見応えあり濃密な映画。実話ベースで緊迫感あるストーリーもさることながら、俳優の演技がアカデミー賞もので葛藤や焦りや不安がとても伝わってくる。ハンプトンもオニールもどちらも素晴らしい演技だなぁ。

最後に字幕で明かされるけどハンプトンがあの貫禄で21歳という事実が驚き。確かにカリスマだし、政府が危険視するのも分かる。本作ではハンプトンは本当に理想のために生きていて素晴らしい人物描写であり、だからこそラストが活きてくるなと。ただ邦題の「裏切りの代償」は分からず。最後なのか?邦題不要だったのでは。

作中のジャズっぽい音楽もハマっていて、トランペットの響きが無情さ非情さを演出している。音楽も車もファッションも当時を再現していて素敵。ブラックパンサー党はベレー帽が共通ファッションだそうで、揃いのベレー帽で銃で武装している姿は異質さを感じる。しかしブラックパンサー党の集会に白人が多数来ていたり、単なる黒人白人の対立構造ではない主義主張の複雑さが垣間見れる。

毛沢東が何度も引用されていて、改めてこの時代の流れや共産主義毛沢東主義についても学んでみたいと思う。
うみぼうず

うみぼうず