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らせん階段のmingoのレビュー・感想・評価

らせん階段(1946年製作の映画)
4.1
モノクロの陰影が凄まじいシオドマクの代表的古典スリラーの傑作。弟を犯人と思いこみ地下牢へ閉じ込めるが、意外にも犯人は別にいるという設定で窮地に陥るのだが、物語の構造が非常にディズニー的だなと思った。いやフィルムノワールの全体像が、物語として起承転結ありきだから失語の主人公を主体にらせん階段を用いた舞台装置へと変化を遂げるうまさやその他断片的要素が想起させるのか。眼と手で恐怖、怒り、不信、決心といったヘレンの体験する心の揺動を表現するドロシーマクガイアと、「過去を逃れて」の撮影ニコラスラムスカ、この2人がいなければ産まれなかった映画であろう。ノワールか微妙な論議があるらしいが、んなこたぁどうでも良くて映画として文句なしに優れている。
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