むらむら

キャッシュトラックのむらむらのレビュー・感想・評価

キャッシュトラック(2021年製作の映画)
5.0
【注意】今回の感想、ハゲの方には刺激的な内容が含まれてます【注意】

ジェイソン・ステイサム主演、ガイ・リッチー監督のクライムスリラー。

前作「ジェントルメン」で、髪の毛フサフサのイケオジを集め、見事な群像劇ノワールを紡いだガイ・リッチー。

逆にステイサムと言えば、

「俺に、頭の毛なんて似合わねえ」
「ハゲを神に感謝している」

といった、ハゲ全肯定のポジティブ発言や、

「世界で最もセクシーなハゲ男」

の三位を獲得するといった、ハゲ界のプリンスとも言える存在(ちなみに一位は真のプリンス、ウィリアム王子)。

なので、デビュー作(ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ)を共にしながらも、フサ優遇で「ジェントルメン」を撮りやがったガイ・リッチーに

「てめぇ! ハゲを舐めてんのか!」

とブチ切れたのかどうかは知らないが、今回はステイサムが完全に主役。ハゲがフサを駆逐する話となっている。

ステイサムはLAにある現金輸送専門会社の新人。何億円ものお金を運ぶ輸送車はギャングに狙われやすく、つい数ヶ月前にもドライバーが二人殺されたばかり。

そんな危険な職業に飛び込んできた怪しい男・ステイサムは一体何者!? というストーリー。

ガイ・リッチー節全開の、様々な思惑が絡み合って、時系列も前後しながらクライマックスに向かう内容で、前知識なしで観た方がいいので、これ以上ストーリーに関しては言及しない。

この作品、ハゲの登場人物は、ほぼステイサム一人。

フサ、フサ、フサだらけの世界線の中で、ほぼ唯一といってよいハゲ族のステイサムが、いかにフサたちをブチのめしてしていくか、というのが見どころとなっている(※完全に俺基準です)。

だがどのヒーローも最初から無双するわけではないのと同様に、この作品でのステイサムも、前半は、ステイサムの毛根のように弱く冴えない。

現金輸送専門会社に雇われて初出社したその日。ステイサムは同僚に、パトリック・ヒルという立派な名前があるのに「H」というニックネームを付けられてしまう。

「お前は、今日からヒルじゃなくて『H』な」
「……」

特にステイサムはコメントしていなかったが、これ、どー考えても、

「ハゲ(HAGE)」の「H」。

内心ステイサムは腹わたが煮えくり返っていたハズだ。

ステイサム、めっちゃ「H」って呼ばれるの嫌がってるっぽいのに、同僚たちからも「H」の呼び名は定着。可哀想。こんな職場でもハゲイジメかよ……。ハゲに人権なし……。

それでも健気にフサに混じって現金輸送業務を続けるステイサム。

ステイサムが輝き始める(※ハゲの話ではありません)のは、中盤、現金輸送車が目出し帽をかぶったギャングの集団に襲われるシーンから。

仲間(フサ)を人質に取られ、5人以上もいるギャングたちに囲まれたステイサム。絶体絶命の窮地なのに、堂々と銃口に対峙したステイサムは、冷静に、一人、また一人とギャングたちを確実に仕留めていく。

えーっ、こんな不利な状況で、なんでステイサムが無双できるわけ??

うーん。

……しばらく考えた俺の結論を以下に書いておく。

ギャング「抵抗したら人質を撃つぞ!」

ω・) チラッ ←ステイサム

ギャング「なんだおまえ」

彡´⌒`ミ >>ピカ➖っ!!☀️☀️☀️
( ´・ω・) ←ステイサム☀️☀️☀️

ギャング「ま、まぶしいいいい!」

(ギャング、ステイサムに撃たれる)

……と、こんな流れで、ギャングたちは目潰しを受け、混乱のウチに仕留められた、のではないか!? これが俺の推測。

おそらくこの推測は正しい。実際、映画館で座ってても、ステイサムのアップになると、スクリーンが若干、まぶしくなった気がするし。

さらに言うと、ステイサムが、撃ち殺したギャングたちの目出し帽をいちいち脱がして、顔を確認してたのも、俺の推測を証明してくれていた。一応、顔を確認するのには別の理由もあるのだが、俺としては目出し帽を脱がせるたびに

「フサだな……(死んで)ヨシ!」
「こいつもフサだな……ヨシ!」
「ヨシ……殺したのは全員フサ!」

と、いちいちフサ(敵)かハゲ(身内)かを確認しているステイサム。原題の「Wrath of man(男の怒り)」に象徴される、フサ族への怒りがよく分かる、ハゲは毛根が浅いぶん執念深いというのが良く分かる名シーン。余談だが、ラッパーのポスト・マローンが、このシーンで顔に入れ墨いれたままカメオ出演。目立ってたのに、フサなのでブチ殺されてて可哀想。

ちょっとネタバレになるが、「H」の子供役が、ティモシー・シャラメばりにフサ中のフサで、違和感ありまくり。これ実子かよ、って疑うレベル。ステイサム、まず子供のDNA鑑定しておいたほうが良かったのでは……。

あと第三章のタイトルは「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」みたいなノリで、「すい臓、脾臓、肺、心臓、それと髪の毛」にしてほしかったぜ。

色々書いたが、ハゲが大活躍するこの作品。ハゲ向けのノータイムトゥダイとして、俺的には大満足。今からでも遅くないから「ハゲの方は半額」キャンペーンを用意して欲しい。ついでに言うと、この作品のポスターも、微妙にハゲを隠さないで、堂々としていて欲しかったかなー。

半額キャンペーンで、世の中のハゲの皆さんが連れ立って映画館に行って、スクリーンと客席で、光の乱反射を引き起こしてくれるのなら、俺も、劇場通いにハゲんでみようと思います。

(おしまい)