レ

女は女であるのレのネタバレレビュー・内容・結末

女は女である(1961年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

前に観たゴダールが『ウィークエンド』だったせいで、弩級の現代思想映画を想像して身構えていたけど、蓋をあけるとスイートな恋愛モノで大変よかった。一番印象的だったのは飲み屋での会話シーン。


「何かウソを言って」
「雨だ」
「本当のことを」
「晴れてる」
「顔が変わらないのね、変わるはずだわ 真実とウソは違うのだから」
「それが何だ 」
「あんたにはどちらか分かる でも人がそれを信じるかは別 皆自分のことだけ」
「でもそれで何とかなってる」
「そうなの だから悲しいの」

こういう悲しみに抗したいという気持ちが恋愛の最大の動機であり危うさだと思うけど、それをこんな風に言い当てるのは素敵だなと感心した。数行に全部詰めこんでしまおうという類のダイアローグが他にもいくつかあって楽しめた。

あとはルームライトを傘がわりに夜の部屋を移動するシーンが好き。恋人との喧嘩がこうだったらな〜。とにかく最高の恋愛映画だったけど、小ネタや時代背景などよく分からないことも多いからこの点で。
レ