林檎とポラロイド観ました。
レビューを書かせて頂くにあたり
初めて気が付いたのが、
本作の登場人物には名前が誰ひとり、
付いてなかったこと。
古い言い回しでは
「名無しの権兵衛」などと言う。
だけど全く違和感なく寧ろ本作は、
これで良いと思いました。
私は本作が好きやった。
この林檎好きの男と踊ってみたいと
思った。踊ってる林檎好き男は、
とてつもなく魅力的やった。
決して晴れがましくないダンス。
イキってないダンス。
慎ましくツイストも踊る。
もとは、こんな人やってんなぁ…、
それがわかったとき、
少し哀しくなった。
そして彼の孤独を私の心で
癒やしてあげたいと思った。
チョコレートがかかった、
優しい想いがかかった、
パウンドケーキは間に合えへんかった。
このとき私は初めてほんまに泣いた。
そして私が苦手やった林檎を
美味しそうやぁ！囓ってみたいなぁ！
と思わせてくれた…、
これほど渋く、魅力的な表情で、
ええ音さして美味そうに林檎にムシャぶりつく男。頬張る男…、
すぐに惹かれた。
いつか会うてみたいと想った💓
ラストシーン近く、
林檎好きな男が花を手向ける🥀
その墓石には、
唯一、アンナという人物の名前が、
刻まれてた…、
蜜柑より林檎が好きで囓る人…、
犬に慕われ味わい深く踊る人…、
忘れられへん映画と
忘れようとして
思い出せない男に、
まためぐり逢えた❤
追記(2022 3/16)
いったい何度の
記憶喪失、奇病、と言う文字を
見たんだろう…、
私は林檎囓りマンに対して、
一度たりともそんなふうに、
思われへんかった。
とてもノーブルで頭脳明晰、
そして誠実な人間として見ていました。
マタアワセテクダサイ💐
