U-NEXTオリジナルの輸入番組。
日本では根強いファンのいるセガ。そしてゲーム界の雄、任天堂。互いに罵り合ったゲーム機戦争を振り返る。
当時圧倒的シェアだった任天堂に、挑むセガという構図。
「任天堂は子供用、セガはカッコいい」というブランディング。
ソニック という高速のヒーローの登場により一気にアメリカ市場を取りにいくセガ。
販売網確保のため、アメリカ最大のスーパー、ウォルマート本社前にセガの無料体験施設を作った話や、任天堂の悪口CMを作った話など、血で血を洗う話の数々が面白い。
その後、セガは次世代機をSONYと共同開発しようとするも決裂。任天堂の高性能機の登場に焦ったセガサターンの立ち上げ失敗で、市場から撤退していくことになる。
SONYのプレイステーションは元々、任天堂スーパーファミコンの周辺機器だったことを思えば、ライバル二社のデータを丸ごと飲み込んだプレイステーションを生んだのはゲーム業界自身だったのかもしれない。
そして当時の日本セガ社長、中村隼雄氏のバーコードヘアーが死ぬほどいじられている。
「バーコードヘアーがヘリコプターに絡まって死んでしまえ!」は笑った。
日本の商慣習をアメリカに持ち込もうとし、手柄を独占しようとした結果、アメリカ側のマーケティングプランを握りつぶし、セガのアメリカ市場を手放すことになった戦犯として扱われている。
アメリカでは負けるべくして負けたのだということが見えてくる。
この映画、魅せ方も巧みで面白かった。専用のドット絵を使ったり、ゲーム画面を比喩的に引用したりとカッコいい編集が光る。最後までハイテンションで駆け抜け、日本にはない疾走感のある素晴らしいドキュメンタリー映画だった。
最後は自分を信じて、徹底的に相手を叩き潰す。資本主義の厳しい側面と面白さを垣間見た。