バルボア

ある人質 生還までの398日のバルボアのネタバレレビュー・内容・結末

ある人質 生還までの398日(2019年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

体操の選手だったが、怪我で断念。写真家を志すも不用意に入国したシリアでISに拉致されてしまう。398日にわたる人質生活を描く、実話を基にした作品。

日本でも残念ながら同じような目にあい、殺害されてしまった方や、辛くも解放された方もいて、決して他人事ではない。ジャーナリストがいるから遠く離れた私達でもいろんな情報、知識を得る事ができる。(まさにこの映画がそうだ)自己責任では片付けられないと思う。また国やその地域によって言葉、風習、考え方、常識の違いがあり、捉え方も違う。この作品の中でも、主人公が戦場における市民の日常を撮影していたと主張しても、IS側からしたらスパイ行為に取られてしまう一面があった。それにしてもIS側の仕打ちは理不尽で、子供じみていて、狂っていて、怖かった。原作も読んでみたのだが、意外にも手作りのゲームを作って人質同士で遊んだり、体操や運動したり、クリスマスや誕生日などの祝い事もしていたりでびっくりした。でもそうやって気を紛らわせたり、日課を作ることによって乗り越えられたんだなと感じた。

IS側の目的は金銭で、身代金を出せる家族がいない人や、国家機関が身代金交渉しない米国、英国の人は散々痛めつけられた上に処刑された。デンマークも国家機関はテロリストと交渉はしないが、民間のセキュリティ会社が仲介して交渉していた。主人公の家族もとんでもない身代金の額を、いろんなアイデアで集めたのも凄い事で、かなり根気の必要な事だったと思う。

主人公が解放されてから、ISに捕まって解放された人はほとんどいないらしいので、運も味方していたのかなと思う。

実話物でよく見かけるエンドロールで実際の写真などが映し出される事が多いが、この作品にはなかった。恐らくまだISの残党が残っているだろうし、イスラム思想に感化される人もいて、また狙われる可能性があるからかなと思った。
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