このレビューはネタバレを含みます
こんなにもつらくて、美味しくなさそうなミートボールスパゲティよ…(本作の配信開始日は、金ローで奇しくもカリオストロの城が放送された)
配信日当日に鑑賞したのですが、レビューが書けず…さきほど2回目の鑑賞を経て、ようやく言葉を綴ろうと思います。
銃乱射事件とは…1箇所で4人以上同時刻に撃たれた、もしくは亡くなってしまった事件のこと。アメリカでは毎日のように銃乱射事件が発生してしまっているそうです。
いってらっしゃいをした相手が二度と帰ってこなかったら。残された者は、一体どんな思いでその気持ちを昇華すればいいのでしょうか。
いっちゃダメだと必死で止める影の2人が本当に見ていてつらい。
最後に両親の後ろで、影の母と父が抱き合い娘が手を広げるシーンは、まるで十字架を抱くマリア像のように見えました。
悲しみは優しさが包んでくれる。寂しさはあたたかさが包んでくれる。憎しみは愛が包んでくれる。
どんなにやり切れない想いがあったとしても。乗り越えられない喪失があったとしても。娘が2人に残してくれた愛は絶対に消えない。
娘が残してくれた最期の言葉。
If anything happens l love you.
これは個人的解釈ですが…
邦題「愛してるって言っておくね」の違和感。なんというか…すごく言語化しづらいのですが…
邦題は娘が死を覚悟しすぎている感が強くて。自分はここで死ぬから、愛してるって今のうちにママとパパに言っておくねという別れの挨拶感が強くて。なんだか違和感があります。
原題は、なんというか娘本人が生きる希望を捨てていないというか。直訳すると、もしも何か起きてもわたしは2人を愛しているよ、となりますが何かは起きないと思うけど、という仮定法未来的なニュアンスを感じました。(英文科専攻なのに、この辺のニュアンスを忘れてしまった…)
目の前に死が迫り、震える指でスマートフォンに両親への言葉を刻む。わずか10歳の子の、その心境を想うと何も考えられなくなります。
何があっても娘はこれからも、この先もずっと両親のことが好きだよ、という永遠の愛。わたしは2人から離れることはないよ、という永遠の気持ち。
だからこそ、娘は天国に行ってもママとパパのことが心配でずっと仲良くしてほしい。娘がいつも笑っていたように、ママとパパもずっと笑っていて欲しいという、あたたかなその永遠なる願いに胸が熱くなりました。