鷲尾翼

彼女の鷲尾翼のレビュー・感想・評価

彼女(2021年製作の映画)
4.0
【まとめシネマ】#360

【まとめ】
* 爽快感あるロードムービー
* 「同性愛」の描き方
* 好きな人のために、愛と覚悟を

試写会でひと足早めに観賞。

原作は2007年から4年間連載されていた中村珍著「羣青」

本作は同性愛や罪を犯してしまう逃亡劇など難しいテーマがメインだが、その一方でロードムービーとしての魅力がある。都会の煌びやか夜景から、緑が広がる自然の情景まで幅広い風景の中を主演の二人が風を浴びながら車で走るシーンを数々は気持ちいい爽快感を感じる。

近年LGBTを描いた作品が注目されるが、共通して言えることは「同性愛の愛情表現が伝わりづらい」ところ。

しかし、本作のテーマは「好きな人のためなら、人を殺すことが出来るか」

物語は水原希子演じるレイがさとうほなみ演じる七恵の夫を殺すところから始まる。逃げ場を失っていく中で、二人の間で何度もその覚悟を決めている瞬間は紛れもなく「愛情」だ。

個人的に真木よう子演じる人物の役どころは貴重でジーンとくる。

本作を観て、久々に「愛」を知った。
鷲尾翼

鷲尾翼