まりぃくりすてぃ

元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件のまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

4.0
娯楽モノとしてコスパ悪くなし系!

ことさらLocoガールズ(&Locoボーイズ?)への憧れがなくっても、外国へのdiveトリップやsurfトリップした想い出ある人には、序盤のモーリシャス⇔ロンドンの行き来ドラマは全然退屈じゃないと思うし、撮影も照明もポップ&スタイリッシュぎみにシャレる中、特に17分台に “キスへの新しい流れ” を一つ呈示され、私はニコッとしてしまう♡

でも、お待ちかねの、恐怖の小型機フライトが始まったら、いったんB級映画になっちゃった。
お空で嵐が立ちはだかっても面白くならない。どうせ二人はラストで助かるんでしょ?って思うから、こちらの心拍数を上げるためだけの劇伴(トットコトコトコ、トットコトコトコ……とか)がノイズでノイズでしょうがない。
二人の台詞の多くがそのまま私たちへの「実況放送」になってるのも、白々しい。

ところが! 機体の扉が開けられたあたりから、面白くなった!
中盤最大の見どころに、泣くべきなのか笑っていいのか「あぁぁぁぁぁ、フレディィィィィィーッ」!!!!!
そうまでして、あんたら助かりたいかぁぁぁぁぁぁっ!!! ダメェーッ! その前に服全部ぬいで髪を切り落とすなりしなさいっ。

怒濤の面白さが続く。

命なんて諦めて、機内で濃厚ラヴシーンしながら玉砕してもいいよね、って想ったんだけど、、
でも、元カレは言うのだった。「絶対、できる!!」

うん、頑張れ!
────ん? 私はいつしか、ボクシング客みたくエア・ワンツーを打ちながら、祈り心地で二人を応援してた。

てことで、面白かった。
で、結婚式はどうなるの?

オワリ


☟☟プラベ☟☟

すごく真剣につきあったけど何年かして仲が冷えちゃった相手(当時)と、もうそろそろ別れるって頃に、前から予約してあったからセスナ機で聖夜フライトしたことがある。
高度数百メートルにいるのは私とカレ(当時)と操縦士の三人だけ。
ジュエリーボックスぱんぱかぱーん、な感じの絶景の街を見下ろしてる。小型機は初めてで、とても怖かった(☜元々、高所恐怖症です)し、揺れのせいで少し吐きそうにもなってた私。ちっとも楽しめず!
私とカレ(当時)は、右と左の窓へとそっぽ向いて、心もすっかりばらばらだったけど、最後だと思って機内でずっと手をつないでた。
いろいろあった最愛(当時)の相手だった。私のほうがプイッてなってた時期のが先だし長かったけど、その頃には、どっちかっていうと私が未練持ってて、カレ(当時)が厭そうにしてた。
夜空にて魔法の絶景に脅されながら、辛い辛い気持ちで手を相手(当時)よりも少し強く握りながら、私は、「このまま落ちちゃえばいいのに…………」と願った。
後で聞いたら、その時、カレ(当時)も「いろいろめんどくさいから、落ちるなら落ちてもいいや…………」と投げやりになってたらしい。
年明けてまだちょっと尾を引いて、バレンタインとホワイトの間の時期にお別れしたんだけど、あの聖夜の空にては、二人の思いが奇蹟的に一致してたことになる。
最後の美しい一致。。。。。

あ、これは、今現在のたいへん充実してる私に何の関係もないお伽話みたいな過去だけれど、ただ、この映画観てるあいだ、笑ったりクギヅケでエア・ワンツー打ったり鮫の無気力を内心責めたりしながら、じつはあの美しい一致の夜の空中の想い出を泣きたい感じに懐かしんでた。