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ブレット・トレインのSUIのレビュー・感想・評価

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)
2.5
伊坂幸太郎作品がハリウッドで映画化する!
しかも主役はブラピで、真田広之が脇を固める!
これは日本人としてはテンション上がりますよ。
絶対劇場で観なければ!となります。

東京ー京都間の新幹線に乗り合わせた殺し屋が繰り広げるドタバタコメディ、という触れ込みに嘘偽りなし…。
なんだけど、素朴な疑問が頭をよぎる。
これは面白いのか?

コメディ全開のストーリーは劇中の新幹線よろしく最後まで突っ走るけど、正直これといった笑いどころはない。
ウィットに富んでいるとは思うけど、残念ながら笑いのツボにはかすりもしない。
笑い声どころかクスリとも聞こえず、水を打ったような静寂に包まれた場内は、きっとお行儀のいい鑑賞者のモラルの高さだけが理由というわけではないだろう。

タンジェリン(蜜柑)とレモンのコードネームのくだりで会話劇が繰り広げられる冒頭は、なんかレザボアドックスを思い出す。
疾走する列車という限られたシチュエーションでは、殺し屋たちが繰り広げるエピソードやら、掛け合いのワードチョイスなんかのセンスが求められるわけだけど、やはりタランティーノのようにはいかない。
この辺りは原作未読なので原作準拠なのか映画オリジナルなのかはわからないけど、この言葉遊び的なニュアンスは伊坂幸太郎っぽさはある。

それはさておき、とにかくノンストップでアクションと殺し屋達の掛け合いが展開するので、最後まで飽きは来ない。
前述のように日本人としてはテンション上がるし贔屓目に加点もされるからそれなりに楽しめる。
評価もバイアスかかって好意的になるのは理解できるけど、本場ハリウッドでは受け入れられるのだろうか?
それだけが心配。
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