yumeayu

ボクたちはみんな大人になれなかったのyumeayuのレビュー・感想・評価

3.5
"STAY ¥5,800"

自分はオザケンの『LIFE』からどっぷりハマった世代なので、年齢的には今作の主人公・佐藤よりはちょい下になるが、それでも自分と重ねずにはいられない映画だった。(監督と同世代!)

誰もが"普通"にはなりたくない、自分は特別でありたいと願うのが10代というもの。
しかし、気がつけばどんどん歳を重ね、あの時になりたくないと思っていた"普通の大人"に落ち着いてしまったことに気づく。
思い描いていた人生だったのかと言われると、素直に"はい"とは言えないが、それでもそれなりに精一杯生きてきた自負はある…。

今作は良くも悪くも日々の積み重ねや、多くの人との出会いによって、今の自分があるということに気づかせてくれる作品だった。
誰もが絶賛する映画だとは思わないが、内容よりも個人的な感情が溢れてしまい、主人公と同じ時代を生きてきた人にとっては刺さりまくる作品だと思う。

劇中いちばんヤバかったのが、2020年のあるシーン。
佐藤が深夜にタクシーに乗り込むと、その車内で小沢健二の曲が流れる…。

「そして時は 2020 全力疾走してきたよね」
「1995年 冬は長くって寒くて、心凍えそうだったよね」

自分の人生と作品と曲がシンクロする瞬間。
何か込み上げるものが…。

…おっさんを泣かすなよ。
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