けーすけ

くれなずめのけーすけのレビュー・感想・評価

くれなずめ(2021年製作の映画)
3.5
結婚式の披露宴、余興で盛り上げようと久しぶりに集った高校時代からの友人6人組。久々に会っても思い出すのは日常のくだらない出来事ばかり。そんな彼らには過去に置いてきてしまった心残りがあった・・・




最初に言いたい。滝藤賢一の贅沢使い!!
声以外で画面にちゃんと出てきたのってほんの数秒ですよね。あのキャラ設定、台本通りなのか本人のアドリブ全開なのかが気になる。彼にかなり持って行かれました。笑



もともとは本作の監督でもある松居大悟が主宰する劇団「ゴジゲン」にて2017年に上演された作品。演劇舞台の映画化という事もありセリフ量も多めな印象。

メインの内容は、成田凌、高良健吾、若葉竜也、浜野謙太、藤原季節、目次立樹と今注目の若手陣がひたすらグダグダわちゃわちゃとする、少し青春の思い出が入ったお話(実年齢では浜野謙太が一番年上なアラフォーですね)。

冒頭の結婚式場での打ち合わせシーンや、その後のカラオケボックスでかなりの長回しシーンがあり、むさくるしい男たちがキャッキャやってるのは見てるだけで面白い。主演6人の個性のぶつかり合いが炸裂しておりました。


話のキモとなる設定は公式サイトや予告編でも明かされているのですが、何も知らずに観た方が楽しめるかもしれないです。結構ファンタジーな設定でもあり、男子高校生がそのままアラサーになって、今から12年前や9年前等のわりとどうでもいい思い出話を掘り返していくだけなので、内輪ネタ的な部分を強く感じてしまう人には好みが分かれそう。



個人的には高校を卒業したあと、高校時代の友人とは繋がりが無くなってしまったので、昔にバカやってた頃を思い出して懐かしむ関係性が羨ましくて、心に沁みました。

ウルフルズの『それが答えだ!』が流れるシーンは最高で、本作の一番の見どころかと。バカできる仲間っていいなあ。


あと、渋谷の富ヶ谷にある劇団青年座前でのシーンがあるのですが、大切な意味を持つところなのでぜひ注目してください。

成田凌、ここを歩いていったのか…
https://goo.gl/maps/9KdW6JaPTth2Defd8

公開記念舞台挨拶、松居大悟監督の最後のコメントシーンに本作への思いをヒシヒシと感じてもらい泣き。
https://youtu.be/sv5PAyQOL3s



「あの時にこうしていれば」といった後悔や心残りがある人もいると思いますが、不器用ながらも前に進んで行こうとする男たちに元気が貰える映画でした。

“過去でも書き換えてやろうぜ!”




2021/05/15(土) ヒューマントラストシネマ渋谷 odessa シアター1 18:20回にて鑑賞。D-9
こちら、初めての会場。10-11番がスクリーンに対してセンターかな。スクリーンサイズがそれほど大きくないので前列でも画面が見切れる事は無かった。座席が並びの椅子とがっしり連結しているのか、姿勢直しや足の組み換えで揺れるのが近客にかなり気を遣うところ…。音響はクリアでさすがの一言。

[2021-043]
けーすけ

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