橘

キャラクターの橘のネタバレレビュー・内容・結末

キャラクター(2021年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

テンポが良かったです。緩急が絶妙でした。
それぞれのキャラクターのバランスも絶妙…W主演だけど菅田将暉さんそこまで激しく前には出てこない印象で、もうひとりの主演のFukaseさんの異様さが引き立ってました。
SEKAI NO OWARIには特に何の感情もないのですがFukaseさん、両角でした。両角の話す内容もですが、話すテンポが特に気持ち悪くてミュージシャンだからこういうの出来るんだろうかと思ったりしました。心地良いテンポも、危険を感じるテンポも自在に操れます的な…こういう喋り方する人は本能で危険だと思ってしまいます。山城先生襲撃の1つ前の事件で、並べた死体を満足気に眺めてニコニコ写真撮ってた時の表情凄かったです。いかにもサイコパスに目を見開いてた時よりゾッとしました。

菅田将暉さん高畑充希さん中村獅童さん勿論うまいし、特に小栗旬さん演じる清田刑事の包容力なんだあれ…あんなに優しく「先生のマンガ面白いよ」って言われたらもう、ね。山城先生も責任感じて漫画の最終回をエサに誘き出すわ。。

でも個人的1位は松田洋治さん。誰だろ…と全く気付かず、キャスト一覧で「マジで!?!?!?」となりました。俳優さんって凄い。
中尾明慶さんと小島聖さんも「そっくりな役者さんだなぁ…」と思ってたら御本人だったのでわたしの目が節穴なだけかもしれません。


両角がターゲットの家族に近付く→死体並んでる、だったので殺人描写は無いのか…とは思いました。「自分をモデルに描かれた漫画を模倣して殺し続ける」って新しいな。「こうきたか…」みたいにワクワクしてるし。
殺人描写は「34」の漫画描写のみ。絵に見覚えが、と思ったら江野スミ先生が描かれてるのか!「アフターゴッド」、楽しく読んでます。
山城先生がアシスタントしてた先生の方の漫画は古屋兎丸先生。漫画家さんの選択が本気すぎる。。


「34」、警察がマークしないのはよくわからない。明らかに世間に公表してない諸々が描かれてるだろうし後々の事件はそれが起こるより先に世に出ているのに、「所詮マンガだ」と軽視したんだろう。。

共同制作。両角のキャラクターが確立してしまったのは、山城先生がそう描いてしまったのもある。山城先生の中にも両角いるし、「自分の中に無いものは描けない」というのはクリエイターにはあると思います。だからといって作品=作者ではない。
創作は現実ではないので何やっても良いです…見たくないものはNot for meってしたらいいし。実際に誰かが害されてたなら問題だけど。


変に熱くなってしまったけれど概ね楽しく観ました。色味も好きでした。
橘