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ジョゼと虎と魚たちのCisaraghiのレビュー・感想・評価

ジョゼと虎と魚たち(2020年製作の映画)
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同名の日本映画の存在は知っていたが、U-NEXTでこの映画のキービジュアルを見て引き込まれ、韓国版のリメイクだと知って、俄然観たくなった。田辺聖子原作だというのもチラっと目に入ったと思う。

雰囲気に引き込まれて観始め、そのまま最後まで観てしまった、という最近あまりなかったパターン。華やかな容貌じゃないけど、ずっと見ていたくなるような感じのいい二人だと思って見ていて、後からそれがハン·ジミンとナム·ジュヒョクだと知った。ハン·ジミン、ホントにいい加減にして欲しい。これでアラフォーでナム·ジュヒョクより一回りも年上だなんて。しかも、ハン·ジミンだなんて全然気づかなかったし。似てるとは思ったが、ハン·ジミン似の若手女優だとばかり…。

ナム·ジュヒョクは、これがあの、最近名前をよく聞く噂のナム·ジュヒョクね、納得、みたいな感じ。こういう見た目も話し方にも芸能人ぽさのない一般人的なイケメン俳優、日本にはいないよね…と思ったのは、ナム·ジュヒョク初めましてだからなのかな、でもきっとそれだけじゃないと思う。ただナム·ジュヒョク、教授とも後輩とも軽く関係を持つようなオトコには見えなかった。韓国の俳優には逆に、チャラさとか遊び人感を出せるイケメンがあまりいないような気がする。

細かい部分にツッコもうと思えばいくらでもツッコめそうな気はするが、ジョジェとヨンソクの世界が、実在感を伴って確固として出来上がっていてバリアがかかっているからか、ツッコみにくい。強いて言うなら、虎と魚があまり印象に残らなかった。

この結論については、どちらの決めたことにも、私は何も言えない、としか言えない。原作を読んで作者の真意を確かめたい。虎と魚の意味も。サガンの名前、ものすごく久しぶりに聞いた。昭和な文学少女の定番サガン、令和では文学少女という言葉すら忘れ去られていそう。

あんなに雑然としたスラムすれすれの家なのに、美しく撮られていることに感服。でも、さすがにあの鍋の中の得体の知れない料理は美味しそうに見えなかった。雪、遊園地、桜などの夜の戸外での幽玄なシーンは、あまり韓国映画で見たことのない独特な映像に思えた。ちょっとビー·ガンぽいかも?

最後のIUの歌に日本語字幕をつけて欲しい。あと、大して韓国語わからないのにおこがましく言わせて頂くけど、日本語字幕イマイチだったのでは?

(2024/2/4 追記)以下、原作を読んでの感想(ネタバレ注意)
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原作は短編だし、バリバリの関西弁だし、ジョゼのキャラはじめ色々違うけど、結末が違うのに一番ビックリ。韓国版は日本版映画のストーリーを元にリメイクしているのだろうと思うが、日本版は、何故原作の結末のままにしなかったのだろう?日本版製作当時、原作者の田辺聖子さんはまだご存命だったので、おそらく納得された上での改変だったのだろうとは思うけれど…。今ちょうど問題になっている「二次創作」の話なので、気にかかる。あと、小説は意外にけっこうエロティックだった。
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