まずぼくらのウォーゲームやサマーウォーズと比較して、現代インターネットの描写がほとんど進歩しておらず、捉え方があまりにも陳腐すぎる。とはいえ現実のネット世界もそれに輪をかけて酷いわけだが、それはそれとしてもかつてはそれなりに先進的でゼロ年代のトップランナーと言ってもよかった解釈や描写の進歩がピタリと足を止め、今現在だとかえって陳腐に映るというのは色々と受け入れ難いものを感じる。特に親や親戚が逐一ネットのペルソナをチェックしているというのは普通に考えればディストピアではなかろうか？描きたかったのは地域とネット社会の融和かもだが、とてもそうは見えない。
脚本も相変わらずひどく、特にクライマックス周りはいくらなんでも無茶苦茶すぎる。しかしながら曲と演出はそれなりのもので、夏休み大衆向けアニメ映画の皮を被った金のかかったPVとしてならいい作品かもしれない。むしろ変にテーマとかいれずにシンプルなミュージカルとして作ったなら星1.5は上がったようにも思う。
