【変わりゆく故郷】
ベン・ウィショー主演の「追憶と、踊りながら」を手がけた"ホン・カウ"監督が、「ラスト・クリスマス」などの"ヘンリー・ゴールディング"を主演に迎えて、"ベトナム戦争"後の混乱を恐れてボートでイギリスに亡命すると言う「ボート難民」であった男性の"変わりゆく故郷"への旅路を描く作品だ。
戦争をテーマにしているのだが決して深刻な内容ではなくて、故郷に両親の"遺灰"を撒きにきた男性の"ロード・ムービー"として本作は描かれている。その中で、変わりゆく故郷に思いを馳せたり、ラブストーリーとしても描かれている。とても哀愁漂う作風に仕上がっていた。
そして本作はなんと言っても、ヘンリー・ゴールディングの"魅力"がたっぷり詰まった作品となっており、ただ歩いてる姿でも様になってしまう。それくらい、ベトナムのような東南アジアの風景とヘンリーの不思議な魅力がマッチしている証拠である。物語の幻想的な雰囲気を、掻き立ててくれる存在であった。
本作は割と私好みの作品であった。観る人を選ぶ作品かもしれないが、ホン・カウ監督はアジアを舞台にしたロード・ムービーを撮るのが上手いと思う。これからも監督には、そうゆう作品を撮り続けてほしいし、もっと知られてほしい。
本作を観て、そんな確信を持てた作品なのでありました。