1942年にアウシュヴィッツに強制収容された二人のユダヤ人は2年後収容所を脱走し、アウシュヴィッツの内情を描いた32ページに渡るレポートを完成させたが…。
この世に地獄という場所があるならば、きっとこのアウシュヴィッツ収容所の事を言うのだろう。
部屋の中には遺体の山が普通に積まれ、首より下の部分を埋められ、ストレスの捌け口にされたユダヤ人達の描写。
収容所に送られたユダヤ人は、この場所の監守からすればきっと、何か思い通りに動く生きた物体程度にしか感じていないのがわかった。
この作品を鑑賞中、私はずっと顔が強ばっていて、体に力が入りまくり、次にどのような光景が飛び込んでくるのか本当に恐ろしくて、だけど目をそらす事ができない。
脱走を試みた二人のユダヤ人も脱走までの道のりはとても険しく、脱走に協力した残ったユダヤ人達はその間にも命を落としていく光景。
ホロコーストという歴史の真実を闇に葬ることなく、未来へと繋ぐ為に命をかけ、真実を伝える為の使命を全うした二人のレポートは、後に12万人のユダヤ人をアウシュヴィッツ収容所に送ることを阻止することができたという事実。
命からがらの逃亡にも関わらず、証拠を提示しろという心ない言葉はとても辛かった。
この恐ろしい歴史を繰り返してはならないというメッセージは、この作品を観た人ならば必ず感じるだろう。
このような歴史を知ることも、私たちにできる使命であると感じました。
